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グナーワは序破急 マフムード・ギネア [中東・マグレブ]

Mahmoud Guinia  Tichkaphone.jpg   Mahmmoud Guinia  SASTE DIMANIO.jpg
Mahmmoud Guinia  MIMOUNA.jpg   Maâlem Gania Mahmoud  Sonya Disque.jpg
Mahmoud Guinia  VOL.4.jpg   El Maalem Mahmoud Ghania  LVEM8.jpg
El Maalem Mahmoud Ghania  LVEM43.jpg   El Maalem Mahmoud Gania LVEM44.jpg

ディスク・レヴューの原稿依頼で、
ひさしぶりにマフムード・ギネアのティッカフォン盤を聴き直しました。
マフムード・ギネアを1枚ピック・アップするのに、
このCDをセレクトする慧眼の持ち主は、そうそうはいないはず。
原稿依頼のリストにあるのを見つけた時は、思わず頬が緩みました。
このCDについては、マフムード・ギネアのお悔やみ記事で触れたことがあります。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-08-06

ところでこのティッカフォン盤は、フランスのソノディスクがCD化したものでしたけれど、
モロッコ現地のティッカフォン盤も2枚持っています。
今回原稿を書きながらマフムード・ギネアのCDをいろいろ聴き直してみて、
あらためてマフムード・ギネアの凄みに感じ入っちゃいました。

グナーワの名人の称号であるマアレムを冠するとおり、
やはり圧倒的なのは、ヴォーカルの表現力ですね。
声の強度、歌唱のパワー、ダイナミクスの大きさ、どれをとっても圧巻の一語に尽きます。

やはりそれは、グナーワがリラという宗教儀式で
精霊と交信するために演奏される音楽だからであって、
世俗の歌うたいとはワケの違う、精霊を媒介するヒーラーという
役割を担っているからこそ生み出すことのできる迫力でしょう。
リラの参加者が、精霊に憑依されて痙攣を起こし倒れ込むのも、
マアレムのディープなヴォーカルがあってこそですね。

イントロでゲンブリが無拍子で弾き始め、
やがてカルカベなどのパーカッションが加わって一定のリズムを刻み、
歌とコーラスのコール・アンド・レスポンスが繰り返され、
終盤でスピードを一気に上げていく構造は、どの曲も同じ。

そのトランシーな魅力は、日本人にとって
けっして遠い世界の話でもないことに気付かされたのは、
いつだったかは忘れましたが、三上敏視のお神楽ナイトに出演した久保田麻琴が、
神楽のヴィデオを観ながら思わず漏らした、「グナーワみたい」という一言でした。
そう、グナーワの曲構造って、まさしく「序破急」そのものじゃないですか。
「神楽=グナーワ」の気づきは大きな発見でした。

Mahmoud Guinia "MAHMOUD GUINIA" Tichkaphone TCKCD12 (1992)
Mahmmoud Guinia "SASTE DIMANIO" Tichkaphone CD886
Mahmmoud Guinia "MIMOUNA" Tichkaphone CD1011
Maâlem Gania Mahmoud "MAÂLEM GANIA MAHMOUD" Sonya Disque CD037/99
Mahmoud Guinia "VOL.4" Mogador Music CDMM2005
El Maalem Mahmoud Ghania "GNAOUI SIDI MIMOUN" La Voix El Maarif LVEM8
El Maalem Mahmoud Ghania "BABA ARBI" La Voix El Maarif LVEM43
El Maalem Mahmoud Ghania "CHAOUIA LAILA YA JARTI" La Voix El Maarif LVEM44
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