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度外れたハイブリッド・ポップ LioLan リオラン [日本]

LioLan  Unbox.jpg

正月早々、ドギモを抜かれた和久井沙良の『TIME WON’T STOP』。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2023-01-08

恐るべき才能を秘めた超ド級新人の登場に刮目したんですが、
はやくも次なるアルバムが届きましたよ。
今作は和久井のソロ作ではなく、
東京藝術大学で和久井の後輩だったというシンガーのキャサリンと組んだユニット。

和久井のソロ作が示したあまたある才能の引き出しの中から、
ポップスに焦点を当てて組んだユニットということになるのかな。
『TIME WON’T STOP』 はデビュー作でもあっただけに、
「私、こんなこともできます」的なさまざまなジャンルへの対応力を開陳していましたが、
今回は J-POP ど真ん中の直球で攻めた戦略でしょうか。

和久井とコンビを組んだキャサリンは、なんでも声優さんでもあるそうで、
藝大の声楽科で鍛えられた幅広い音域を持つ高い技量の持ち主。
鍛えられた発声と堂に入った歌いぶりに、
並みのポップ・シンガーとの格の違いをみせつけます。
クラシックの声楽を修めた人が、ラップまで楽々こなす時代なんだよなあ。
オペラからヒップ・ホップまで、無敵ですな。

和久井が今作で発揮する才能の一番は、作曲。
デビュー作で舌を巻いたキャッチーな曲づくりがここでも如何なく発揮されています。
ジャズ・ミュージシャンらしいトリッキーなパートを作る上手さもバツグンですね。
そして今回のオドロキは、和久井も歌を披露しているところ。
ゆいいつ和久井が作詞もした「natsu no hito」では、てらいのない歌を聞かせていて、
え~、ヴォーカルもできるのかよーと、思わず天を仰いじゃいました。
キャサリンという稀有なヴォーカリストとコンビを組んでも、う~ん、野心を隠さないねえ。

6曲入りのEPで、ウチコミと生演奏が半々。
ベースにはクラックラックスの越智俊介が参加しています。
エレクトロ・ポップあり、ネオ・ソウルあり、ヒップ・ホップR&Bありと、
楽曲のカラーはすべて異なりながら、アルバムの統一感を保つあたりもスゴ腕。
コンポーズのみならずプロデュース能力も、新人離れしてるよなあ。
J-POP と呼ぶにしては、ハイブリッドの度が過ぎます。

LioLan 「UNBOX」 アポロサウンズ APLS2304 (2023)
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