SSブログ

リアル・ブルースの現場から アラバマ・マイク [北アメリカ]

Alabama Mike  Stuff I've Been Through.jpg

うぉ~ぅ、こいつぁゴッキゲンだ!  これぞリアル・ブルーズン・ソウル。
64年アラバマ州都タラデガ生まれのアラバマ・マイクこと、
マイケル・A・ベンジャミンの新作。
アラバマ・マイクのCDは手にしたことはあれど、ちゃんと聴いたのはこれが初めて。
興味を持ったのは、リリース元が昨年出たブルース・アルバムの大傑作、
ダイユーナ・グリーンリーフと同じリトル・ヴィレッジだったからなんだけど、
予感は大当たり。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-07-22

プロデュースがダイユーナ・グリーンリーフのアルバムと同じキッド・アンダーセンで、
バックが豪華なんですよ。レジェンド・ベーシストのジェリー・ジェモットに、
デリック・マーティンのドラムス、ジム・ピューのキーボードと大ヴェテランを揃え、
ギタリストもキッド・アンダーセン筆頭に、アンスン・ファンダーバーグ、ボビー・ヤング、
ラスティ・ジンと4人の顔触れが並びます。
そこに、サザン・ソウル・マナーのホーン・セクションや
ストリングス・セクションも付くのだから、
スタックス/ハイ・サウンドの南部音楽の伝統は、
いまなお生きていますねえ。なんと誇らしいことでしょうか。

ラスト2曲がライヴで、
ミシシッピの綴りを観客とコール・アンド・レスポンスするサン・ホセのライヴに、
ゴスペル・フィールのソウル・バラードのスイス・ライヴとも、すさまじい熱狂ぶり。
マイクが観客に語りかけ、観客が応える、熱っぽいやりとりのナマナマしさは、
これぞソウル・トゥ・ソウルの魂の交歓。ソウル・ショウの醍醐味、ここにありですね。

あらためてリトル・ヴィレッジというレーベル、どんなレーベルなのかと調べたら、
録音に恵まれないアーティストを支援する、
非営利のファンデーションによるレーベルなんですね。
だから大手の流通にのらず、ショップにも卸されていないのか。
利益は全額アーティストに還元して、寄付金のみで運営しているとのこと。

熟成された音楽を、その音楽が息づく現場の環境を最善な状態に
コントロールできれば、これほどの素晴らしいブルース・アルバムができるのだから、
ロック・ファン向けのお化粧や加工なんてのが、いかに愚かしいかわかろうというもの。
バディ・ガイの近作に夢中になれる人には、通じない話だとは思うけれども。

Alabama Mike "STUFF I’VE BEEN THROUGH" Little Village LVF1053 (2023)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。