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表舞台にあがれど気分は裏方 スタッフ [北アメリカ]

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70年代クロスオーヴァー/フュージョン・ブームの一時代を築いたバンド、スタッフは、
77年4月晴海で開催された「ローリング・ココナツ・レビュー・ジャパン」への
出演を皮切りに何度か来日しましたが、
いつもメンバーの誰かしら欠けて来ることがほとんどだったので、
メンバー全員揃ってやって来たのは、77年11月のツアーただ1度だけでした。

リチャード・ティーのピアノの魅力が前面に出た、
77年の “MORE STUFF” が出た直後の再来日で、
初の単独コンサート・ツアーでしたね。

その来日時にホテルニューオータニでやった記者会見にもぐりこんで、
メンバー全員のサインをいただいてきたんですけれど、
今となるとなかなかのレアものになった気がしますね。
本番のコンサートは19日に新宿厚生年金会館で観ましたが、
なんとその日のライヴ盤が2年前に出ていたとは、びっくり。
ブートレグじゃ、さすがに気付かないなあ。

ただそのコンサートは、正直あまり面白くなかった印象が残っています。
メンバー全員が椅子に座って、もくもくと演奏するばかりで、
あらためて彼らがスタジオ・ミュージシャンで、
本来が伴奏バンドなのだということを思い知らされました。

自分たちが主役として表舞台にあがっているのにもかかわらず、
ライヴ・パフォーマンスをするという意識がほとんどなくて、
その愛想のなさは取り付くシマのないものだったんです。
さらにえぇ?だったのが、
曲のエンディングがフェイド・アウトだったり、唐突に終わるところ。
エンディングのアレンジをしないのって、これ、手抜きつーか、あんまりじゃない?

大好きなリチャード・ティーのゴスペルゆずりのダイナミックなピアノや、
コーネル・デュプリーのテキサス・ギター、エリック・ゲイルのワン・アンド・オンリーの
チョーキング・ギターなど、メンバー各自の個性的なプレイは堪能できるんだけど、
ライヴらしい醍醐味なんてまるでなくて、なんとももやもやしたコンサートでした。

そのライヴを46年ぶりに今の耳で聴いたらどう感じるかという好奇心で、
めったに手を出さないブートCDを買ってみたんですが、
あれ?悪い記憶がウソのよう。すごくいい演奏してるじゃないですか。
視覚的要素抜きで音だけ聴いてみれば、アンサンブルもメンバーのプレイも極上です。

2枚組のブートCDは、ディスク1とディスク2の順が逆になっていますが、
コンサート前半がディスク2、後半がディスク1で、
当日の演奏をそのまま収録していると思われます。

コンサートの前半の曲がフェイド・アウトで終わったり、
無駄に長いジャムぽい演奏をするので、印象悪くしたようなんですが、
後半はゴードン・エドワーズのかけ声で、
スティーヴ・ガッドが長いドラムス・ソロを繰り広げたり、
ちゃんとライヴらしい見せ場も作っているんですよ。

若かったから、ライヴに厳しい目を向けすぎてたんだろうなあ、
百戦錬磨のプレイヤー揃いの演奏は、やはり悪かろうはずがないですね。
ただ椅子に座りっぱなしの愛想のなさは、彼らもその後反省したのか、
翌78年の来日コンサート(クリストファー・パーカーが欠)では立って演奏したらしく、
『ライヴ・スタッフ』では立ち姿で演奏している写真がジャケットになっていましたね。

[LP] Stuff "MORE STUFF" Warner Bros. BS3061 (1977)
Stuff "LIVE IN JAPAN 1977" After-Hours Products AH21-010
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