蘇るセネガリーズ・ポップ黄金期のサウンド ジェウフ・ジェウル・ド・ティエス [西アフリカ]
ビックリ二乗。
ひとつめのビックリは、
わずか79年から82年までしか活動しなかったセネガルのバンドが
33年ぶりに再結成して出した新作だということ。
ジェウフ・ジェウル・ド・ティエスは、活動期には1枚のレコードも出さず、
2013年にテレンガ・ビートが未発表だったマスター・テープを掘り起こすまで、
幻のバンドだったんですよ。なんせ、2002年にオランダのダカール・サウンドが出した
ティエスのバンドのコンピレーション “MEANWHILE IN THIES” で、
かろうじて2曲が聴けるだけのバンドでしたからねえ。
で、ふたつめのビックリは、これが新作?と戸惑ってしまうほど、
80年前後のサウンドが真空パックそのままに飛び出てきたこと。
ファズやフランジャーを利かせたエレクトリック・ギターも懐かしく、
サウンドのすみずみまでヴィンテージ感が充満しています。
それもそのはず、真空管マイクや旧式ミキサーといった昔の機材を
160キロ以上もフランスから運び込んでレコーディングしたというのだから、
80年当時のアナログ感が再現できるはずです。
オリジナル・メンバーで残っているのは、リーダーでギタリストのパープ・セックと
リード・ヴォーカルのバシル・サル二人だけですけれど、テレンガ・ビートの2枚に
収録されていた往年のレパートリーをほぼ昔のままのアレンジで再演し、
今回のレコーディングのために用意された新曲2曲もやっています。
ホーンズを含むメンバー全員によるライヴ・レコーディングだったようで、
そのダイナミズムに富んだグルーヴは最高ですね。
本作のレコーディングは19年に行われましたが、
それに先立つ17年にオランダで開催されたアフリカ・フェスティヴァル・ヘルトメに
出演した時のライヴ2曲が最後に収録されています(CDのみ。LPは未収録)。
これがまたスケール感のある演奏で、ライヴ・バンドとしての実力の高さにウナりました。
この2曲を含む4曲を収録したライヴ盤が、
オランダのヴェリー・オープン・ジャズから18年に出ていたらしく、
残り2曲もぜひ聴いてみたいなあ。
ちなみにこのライヴ盤、前年のフェスティヴァルに出演した
ケニヤのレ・マンゲレパのライヴとのカップリングとなっているようです。
そういえば、マンゲレパもこの頃に復帰作を出したっけ。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2017-12-01
Dieuf-Dieul De Thiès "DIEUF-DIEUL DE THIÈS" Buda 860390 (2023)
Royal Band, Dieuf Dieul "MEANWHILE IN THIÈS… :DAKAR SOUND VOLUME 9" Dakar Sound DKS020
Dieuf-Dieul De Thiès "AW SA YONE VOL.1" Terenga Beat TBCD017
Dieuf-Dieul De Thiès "AW SA YONE VOL.2" Terenga Beat TBCD020
2024-01-09 00:00
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