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サンバ・パウリスタ古豪の集い エンコントロ・ダス・ヴェーリャス・グァルダス [ブラジル]

Encontro Das Vellhas Guardas.jpg

あぁ、こういうサンバが心底好き。
伝統サンバの新作を聴いたのって、何年ぶりだろう?
聴き終えて、満ち足りた思いでデータベースを打ち込んでみたら、3年ぶりでしたよ。
そうか、2021年も2022年も、伝統サンバの新作CDを1枚も買ってなかったのか。
伝統サンバ、冬の時代であります。

というわけで、長い渇きを癒すことができた1枚は、
イデヴァル・アンセルモ、ゼー・マリア、マルコ・アントニオ、
3人のサン・パウロのヴェテラン・サンビスタを集め、
エンコントロ・ダス・ヴェーリャス・グァルダスの名義で、
サンバ・エンレードを数多く作曲したサンバ・パウリスタの名作曲家
タリズマンことオクターヴィオ・ダ・シルヴァにオマージュを捧げた企画アルバムです。

Ideval Anselmo.jpg   Velha Guarda Do G.R.C.E.S. Unidos Do Peruche.jpg
Velha Guarda Nenê De Vila Matilde.jpg

イデヴァル・アンセルモは、
2012年のベスト・アルバムにも選んだ、ぼくの大好きなサンビスタ。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2012-10-24
ゼー・マリアはウニードス・ド・ペルーシェのアルバムで、
マルコ・アントニオは、ネネー・ジ・ヴィラ・マチルジのアルバムで聴いていましたよ。

ただ今回のテーマである作曲者のタリズマンというサンビスタは、
寡聞にしてぼくは知らず。解説によると、
もともとはリオ北地区のウニードス・デ・ロシャ・ミランダのサンビスタだったとのこと。
サン・パウロのエスコーラ、カミーザ・エルジ・イ・ブランコを創設した
イノセンシオ・トビアスに誘われてサン・パウロへ移住し、
カミーザ・エルジ・イ・ブランコのサンバ・エンレードや数々のサンバを作曲して、
サン・パウロの重要作曲家になった人だそうです。
というわりに、生年月日も没年月日も不明というあたり、
自身のレコードをほとんど残さなかったからなのでしょうか。

本作はSESCの制作なので、さすがにプロデュースはしっかりしていますねえ。
ルーカス・ファリアという人が音楽監督を務めていて、
サンバ/ショーロのレジオナル編成に、
曲によって管楽器を起用して、サウンドはパーフェクト。
チューバ、バリトン・サックス、アルト・サックスを加えた
‘Há Um Nome Gravado Na História’ なんて、最高です。

知らない曲ばかりと思っていたら、
ベッチ・カルヴァーリョが79年の最高傑作 “NO PAGODE” で歌っていた
‘Meu Sexto Sentido’ が出てきて、おぉ! この人の曲だったんですねえ。

Embaixada Do Samba Paulistano.jpg

ラスト・トラックの ‘Biografia Do Samba’ がタリズマンの代表曲で、
69年のサンバ・エンレードとのこと。
イデヴァル・アンセルモが参加していたエンバイシャダ・ド・サンバ・パウリスターノの
アルバムのオープニングでも、この曲がメドレーで歌われていましたね。

コクの深い芳醇なサンバを最高の伴奏で聞かせたアルバム、
これ以上の至福がありましょうか。

Encontro Das Vellhas Guardas "TALISMÃ: NEGRO MARAVILHOSO!" SESC CDSS0174/23 (2023)
Ideval Anselmo "MEMÓRIA DO SAMBA PAULISTA" Sambatá/Tratore SAM017-02 (2012)
Velha Guarda Do G.R.C.E.S. Unidos Do Peruche "MEMÓRIA DO SAMBA PAULISTA" Sambatá/Tratore SAM012-2 (2008)
Velha Guarda Nenê De Vila Matilde "MEMÓRIA DO SAMBA PAULISTA" Sambatá/Tratore SAM16-02 (2012)
Embaixada Do Samba Paulistano "MEMÓRIA DO SAMBA PAULISTA" Sambatá/Tratore SAM009-2 (2008)
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