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サンバ・ソウルのディーヴァ パウラ・リマ [ブラジル]

Paula Lima  É ISSO AÍ!.jpg   Paula Lima  PAULA LIMA.jpg
Paula Lima  SINCERAMENTE.jpg   Paula Lima  O SAMBA É DO BEM.jpg

クルービ・ド・バランソで火が点いて、ひさしぶりにパウラ・リマが聴きたくなりました。
手元にあるのは、デビュー作から13年作までの4作。

う~ん、やっぱこの人の声は味があるなあ。
厚みがあって、ふくよかにバウンスする豊かな声。
ゆったりとたゆたうように粘っこく歌うかと思えば、
ハイ・トーンでシャープに切り込みながら、自在なフェイクで聴く者を翻弄したり、
これぞディーヴァと呼ぶにふさわしい歌いっぷり。
パウラ・リマは、サンバ・ソウルのクイーンですね。

サンバ・ソウルが大ブレイクした2001年は、
ファロファ・カリオカのフロントを務めたカリスマ・シンガーの
セウ・ジョルジが独立してソロ・デビューを果たした年でしたけれど、
期待が大きすぎたのか、セウのデビュー作は肩透かしでした。
その穴埋めをしてくれたのが、パウラ・リマのデビュー作だったんです。

セウはリオ、パウラはサン・パウロという違いはあれど、
二人とも70年生まれの同い年。
パウラにはクラブ・ジャズやヒップ・ホップのセンスもあって、
繰り出すスキャットも上品なジャズではなく
ストリートの猥雑さが匂い立つところが、いいんだな。

メジャーに移籍して出した03年のセカンドは、
蒲田あたりのライヴハウスから六本木のクラブに移っちゃったくらいの
プロダクションの変化があり、ぐっとゴージャスになりました。
なんせ「ムーンライト・セレナーデ」をポルトガル語カヴァーしてるくらいだから。
それでもパウラは、下町のざっくばらんなネエちゃんのまんまなのが嬉しい。
当時セウ・ジョルジがええかっこしいして、
鼻持ちならなくなってたのと好対照でありました。

06年のサードでは、カジュアルなプロダクションに戻って、ちょっとホッ。
やっぱりこういうムードの方がしっくりするなあ。
肩で風切ってたデビュー作から比べると、肩の力がぐっと抜けて、
歌いぶりに余裕が感じられますよ。
セウ・ジョルジの15年の最高傑作 “MUSICAS PARA CHURRASCO Ⅱ” の
ラストを飾った ‘Let's Go’ がこのアルバムで歌われています。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-04-30

13年の “O SAMBA É DO BEM” は、サンバ・ソウルではなく、
ストレートなサンバを歌ったサンバ・アルバム。
デビュー作からパゴージのサンバを歌っていたから、
まるごと1枚ポップ・サンバで通しても、なんら違和感はありません。
このアルバムを最後に新作が出ていませんが、どうしてるのかな。

Paula Lima "É ISSO AÍ!" Regata 260.002 (2001)
Paula Lima "PAULA LIMA" Mercury 04400679332 (2003)
Paula Lima "SINCERAMENTE" Indie 789842012626 (2006)
Paula Lima "O SAMBA É DO BEM" Radar RAD4256 (2013)
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