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作曲と即興の高度なバランス イリガール・クラウンズ [北アメリカ]

Illegal Crowns  UNCLOSING.jpg

メアリー・ハルヴァーソンの近作では、
今年初めに聴いたサムスクリューが良かったけれど、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2023-01-12
サムスクリューのドラマーのトマス・フジワラと
コルネット奏者のテイラー・ホー・バイナムに、
フランスの鬼才ブノワ・デルベックのピアノが加わったカルテット、
イリーガル・クラウンズの新作もいいですねえ。

メアリーとトマス・フジワラ、テイラー・ホー・バイナムの3人は、
アンソニー・ブラクストンの門下生で、
そこに現代音楽から即興音楽を学んだブノワ・デルベックが加わったことで、
アヴァンギャルドな楽曲に乾いた情感を送り込まれて、
映像的なサウンド・デザインを与えているように感じます。

Tomas Fujiwara’s Triple Double  MARCH.jpg

メアリーとテイラーが戯れるような即興を繰り広げ、
アヴァンな音空間に遊びゴコロとエキゾティックなムードを満たして、
親しみやすさを生み出すところは、トマス・フジワラのトリプル・ダブルの新作
“MARCH” でもたびたび聴くことができましたけれど、
ブノワが加わったことで、グループの色彩感がぐっと増しましたね。

トマスのパーカッション的なドラミングに、
メアリーとテイラーがぴたりとラインを合わせていくパートなど、
息が合いすぎていて、即興なんだか作曲なのかわからなくなる場面も多数。
牧歌的なメロディに不穏なフィーリングが入り混じったり、
即興が複雑な色合いをつけていく、
作曲と即興のバランスの妙に驚嘆させられる作品です。

Illegal Crowns "UNCLOSING" Out Of Your Head OOYH020 (2023)
Tomas Fujiwara’s Triple Double "MARCH" Firehouse 12 FH12-04-01-035 (2022)
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