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チャレンジングな作曲と即興 蘇郁涵 [東アジア]

Yuhan Su  LIBERATED GESTURE.jpg

ニュー・ヨークで活動する台北出身のヴィブラフォン奏者スー・ユーハンの新作。
18年の前作で注目した人なんですが、新作がこれまた強力。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2020-04-07

前作とはメンバーを全員変えていて、
ピアノはクレイグ・テイボーンの後釜としてティム・バーン・グループに起用された、
マット・ミッチェル、アルト・サックスはシンガポール出身のキャロライン・デイヴィス、
ベースは今年オリ・ヒルヴォネンと共に来日したマーティ・ケニー、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2023-09-23
ドラムスはM-Base 的な変拍子やリズムの崩しも得意とするダン・ワイス。

スー・ユーハンは、モーダル・ジャズを更新する
コンテンポラリーなタイプの音楽家ですけれど、
フリー寄りのインプロヴィゼーションを展開するマットのピアノと、
M-Base の変拍子ファンクを引用したリズム展開も聞かせるダンのドラムスによって、
今回はかなり攻めた作品に仕上がっていて、もうめちゃくちゃカッコイイんですよ。
ファンクとスウィングが同居するダンのドライヴ感には、ワクワクさせられます。

ユーハンの抒情味のあるメロディを生かしたハーモニー豊かな作曲と、
キレッキレのリズムと時に乱調に及ぶ抽象度の高いスリリングな即興が絶妙です。
前作でも緊張と緩和の押し引きに感じ入ったけれど、
スー・ユーハンの魅力は、作曲と即興のバランスの良さだなあ。
ラスト・トラックの終盤で、コミカルなインプロを繰り広げたあとに、
音量を落としてスッと終わるカッコよさに降参です。

Yuhan Su (蘇郁涵) "LIBERATED GESTURE" Sunnyside SSC1717 (2023)
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