SSブログ

ジョー・キャロル祭り [北アメリカ]

Joe Carroll  THE EPIC & PRESTIGE SESSIONS.jpg   Joe Carroll  MAN WITH A HAPPY SOUND.jpg

希代のジャイヴ・シンガーであり、
バップ・ヴォーカリストである、ジョー・キャロルの代表作2枚、
56年録音のエピック盤と、62年のチャーリー・パーカー盤が揃って復刻しました!
こりゃあ、めでたい!! この夏は、ジョー・キャロル祭りでっす!!!

ジョー・キャロルが、どんなにカッコいいシンガーかは、
一度ここできっちりと書いたので、もう繰り返す必要はありませんね。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2014-02-14
あの記事を書いた時、日本だけでCD化されていたエピック盤、
アメリカのコレクタブルズがCD化したチャーリー・パーカー盤ともに、
入手が難しくなっていた時期でもあったので、これは大歓迎でしょう。
さらに、すでにCDを持っているという人でも、買い替えをオススメします。
すんごいお宝が、ボーナス・トラックで入ってるんですから。

まずは、エピック盤の方。
サブ・タイトルにあるとおり、エピック盤全曲のあとに、
プレステッジ録音の4曲が収録されています。
この4曲は、古株のファンにはおなじみですね。
オムニバス盤“THE BEBOP SINGERS” (PR 7828) に、
エディ・ジェファーソンの4曲とアニー・ロスの6曲とともにカップリングされていた、
52年12月録音のセッションです。

続いて、ガレスピー楽団でパリを訪れた53年2月に録音した5曲が収録されています。
クレジットによると、ヴォーグの10インチ盤だそうですが、
う~ん、これは見たことないなあ。ぼくも今回初めて聴きました。

しかも、これだけじゃないんですよ。
さらにボーナス・トラックとして、52年の2月と7月、
ニュー・ヨークでガレスピー楽団(セクステット/クインテット)とともに録音した
6曲が収録されているんだから、すんごいヴォリューム。
クレジットによると、ガレスピー自身のレーベル、ディー・ジーと
アトランティックに残したSP音源とのことなんですが、
アトランティックに録音を残していたなんて知らなかったので、びっくり。

ところが、アトランティック録音の2曲を聴いてみると、あれれ。
これって、スウェーデンのメトロノームから出ていた、
ガレスピーのEP盤(MEP450)所収の2曲と同じじゃないの。
う~ん、原盤はアトランティックのSPだったのかあ。
なかでも、ガレスピーとデュエットするアフロ・キューバンの“This Is Happiness” は
ゴキゲンなトラックで、これがCD化されたのは嬉しいですねえ。

そして、チャーリー・パーカー盤の方は、ボーナス・トラックは2曲。
エピック盤に比べると少ないですけれど、
これしかレコーディングされてないんだからしょうがない。
チャーリー・パーカーからは、LP1枚とシングル盤2枚がリリースされていて、
シングル盤2枚のうち1枚はLP収録曲ですが、もう1枚はLP未収録曲で、
これが今回CD化されたというわけ。

このシングル盤は、LPのレコーディングの1年前、61年3月に録音されたもので、
バリトン・サックス奏者セシル・ペインのクインテット
(デューク・ジョーダンのピアノに、ロン・カーターのベース!)をバックに、
“Anthropology” “Hi-Fly” をスキャットしたもの。
この「アンソロポロジー」が、サイコーなんですわ。
63年にダブル・シックス・オヴ・パリがガレスピーと一緒に録音してるより、2年も早い。
「アンソロポロジー」のスキャット・ヴァージョン初演なんじゃないですかね。

ランディ・ウェストンの「ハイ=フライ」は、
セシル・ペインとスキャット合戦を繰り広げます。
スキャットはジョー・キャロルの圧倒的勝利って感じなんだけど、
セシル・ペインもほっぺたを鳴らす技などを繰り出してジョーに対抗、
なかなか面白いヴァージョンになっています。

いや~、大満足。
ジョー・キャロルの録音もほぼCD化されたといっていいと思いますが、
残るは、78年にニュー・ヨークのクラブ、ジャズマニアでライヴ録音した
アルバムも、ぜひCD化をよろしくお願いします。

Joe Carroll "JOE CARROLL THE EPIC & PRESTIGE SESSIONS" Fresh Sound FSRCD935
Joe Carroll "MAN WITH A HAPPY SOUND" Blue Moon BMCD1637
コメント(4)