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不滅のメンフィス・ソウル・ジェントルマン ウィリアム・ベル [北アメリカ]

William Bell  ONE DAY CLOSER TO HOME.jpg

ヴェテラン・ソウル・シンガー、ウィリアム・ベルの新作は、
ホームグラウンドである自身のレーベル、ウィルビーから。
16年にスタックスから出た前作は、その年のマイ・ベスト・アルバムにも選びました。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2016-09-19

あれから7年。
この豊かなヴォイスが、80歳代半ばを迎えようというシンガーのものとは、
信じがたいですね。芳醇と呼ぶ以外どんな言葉も思いつかない、
その年輪だからこそ生み出される味わいだけがそこにあって、
老いは微塵もない情感溢れる歌いぶりに、圧倒されるほかありません。

90年代からベルと一緒に活動している鍵盤奏者レジナルド・ウィザード・ジョーンズとの
共同プロデュースで、バックはすべて人力の生演奏。
ホーンズやストリングスも使って、打ち込みをいっさい使わないレコーディングは、
もはや21世紀とは思えないほど。
それがレトロ・ソウルだとかの思惑やネライなどではなく、
この人はずっとこうやって録音してきたのだという、
ヴェテランの自然体の強さに圧倒されます。

時代も流行もすべてを超越した歌が、ここにはあります。
胸に染み入るメンフィス・ソウル・ジェントルマンの歌い口に、
ただただ酔いしれるばかりの珠玉のアルバムです。

William Bell "ONE DAY CLOSER TO HOME" Wilbe WIL2023-2 (2023)
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