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ペルナンブーコの先達に敬意を表して ジェラルド・マイア [ブラジル]

Geraldo Maia  LADRAO DE PUREZAS.JPG

ギターとパンデイロだけの伴奏で、このキレ!
う~ん、サンバ・ファンにはたまらないノリですよ。
グルーヴィーな1曲目の“Vatapa” に、イッパツでまいってしまいました。
去年の秋によく聴き返していたマルコス・サクラメントのデビュー作と、
共通するセンスを感じさせる快作サンバです。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-11-05

これが8作目というジェラルド・マイア、もう中堅といっていいキャリアの持ち主のようですが、
恥ずかしながら、ぼくは本作で初めて知りました。すごくいいシンガーですね。
これまでのアルバムでは、ソングライターとして自作のサンバを歌ってきた人だそうですが、
本作は戦前北東部音楽の人気歌手、マネジーニョ・アラウージョの曲集となっています。

Manezinho Araujo  CUMA E O NOME DELE.JPG「エンボラーダの王様」と称されたマネジーニョ・アラウージョ(1910-1993)は、速射砲のような早口ヴォーカルでユーモラスなエンボラーダを歌って人気を博した、芸人気質のシンガーです。
33年にリオへ上京し、56年まで46枚のSPを残していて、当時の録音はレヴィヴェンド盤で聴くことができます。
56年にはシンテールから10インチLPも出していて、ロバに乗ったマネジーニョを描いたイラストのジャケットが秀逸なんですけど、いまだ見つからず、いつの日か探し出したい一枚であります。

このトリビュート集では、ハイ・トーンでコミカルに歌うマネジーニョの歌い回しを真似せず、
ジェラルド・マイア自身のスタイルで丁寧に歌っていて、
同郷のペルナンブーコの先達に敬意を表した、
爽やかなアルバムに仕上げたところが成功したといえますね。

あと、CDジャケットやライナーに飾られた、
マネジーニョ・アラウージョの絵もとてもいい味わいです。
素朴派のような絵で、ペルナンブーコの風物や、豊かな民話をもとにしたモチーフを描いていて、
ファンキーなエンボラーダとはがらり異なる、マネジーニョの別な才能を知ることができます。

Geraldo Maia "LADRÃO DE PUREZAS : UM TRIBUTO A MANEZINHO ARAÚJO" Biscoito Fino BF391 (2011)
Manezinho Araújo "CUMA É O NOME DELE?" Revivendo RVCD109
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