エチオピア×ラウンジー×エキゾ テクル・デミシェ&ダニエル・ガブリエル [東アフリカ]
うひゃひゃ、こりゃ面白い。
エチオピア裏町の安酒場へと運ばれるインスト・アルバム、
ハイル・メルギアの85年カセット作“SHEMONMUANAY” があれだけウケたんだから、
これも売れるよ、ゼッタイ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2013-07-25
在米エチオピアン・コミュニティ御用達レーベル、ナホンの、「歌のない歌謡曲」ふうインスト集。
このシリーズ、打ち込みでお手軽に作ったアルバムが並び、
レストランのBGM用にしかならないような作品ばかりなんですけれど、
なかには、こんな面白いのもあるんですねえ。
1曲目から、オリエンタル・ムード満点なエキゾ不気味系(?)メロディが炸裂。
エチオピア音楽ファンにはおなじみの、独特の臭みたっぷりな楽曲が並びます。
プロダクションはチープな打ち込みで、歌ものだと、あ~あ、またか、とタメイキも洩れますが、
こういうインスト・アルバムだと、そのチープさがかえってクールで、面白く聞けます。
スカスカのサウンドにゆらめくサックスが、妖しすぎます。
アルバム名義のサックス奏者テクル・デミシェと、鍵盤奏者ダニエル・ガブリエルの二人のことは
まったく知りませんが、おそらくスタジオ・ミュージシャンでしょう。
なんせCDには、クレジットはおろか、なんの情報もないので、
ダニエル・ガブリエルが打ち込みも担当しているのかどうか、よくわかりません。
ダニエルは多彩なキーボード類を操るばかりでなく、アコーディオンも使っていて、
そんなところもハイル・メルギアの例のアルバムと似ています。
アコーディオンの響きって、なんともラウンジーなムードをかき立てますね。
まろやかで太いトーンの、テクルのテナー・サックスもいい味を出してますよ。
ソプラノ・サックスのトーンも美しく、聞かせますねえ。
ジャズではないので、メロディをなぞるだけとはいえ、
そのメロディがどれもエグいものばかりで、強烈なエチオピア臭が充満。
ラストに至っては、沖縄音階が飛び出す始末で、まるでチャンキー・エキゾ!
♪ア、イヤサッサ、ハッ! ハッ! ハッ!♪という女声のお囃子が聞こえてきそう。
なんだか『泰安洋行』の頃の細野さんを思い出すようじゃありませんか。
こういう音楽を聴いていると、頭がムラムラ、みぞおちのあたりがもやもやとしてきます。
Teklu Demssie & Daniel W/Gebriel "NAHOM FAVORITE VOL.30 : ABAT DES YLEWAL" Nahom no number (2013)
2015-01-24 00:00
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