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グローバル時代の南ア・ジャズ マブタ [南部アフリカ]

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南アからも、世界同時多発する新しいジャズが聞こえてきましたよ。
ロンドンで活躍するサックス奏者シャバカ・ハッチングスが、
初のリーダー作で南ア・ジャズの若手たちと共演して話題を呼んだように、
グローバルな共通言語を持った若手たちが、新たな南ア・ジャズをクリエイトしています。

ケープ・タウン出身のベーシスト、シェーン・クーパーが送ってきた、
彼の新しいバンド、マブタの新作もそのひとつ。
シェーン・クーパーは、カイル・シェパード・トリオのベーシストとして16年に来日し、
反復フレーズを展開するグルーヴ・センスに、抜きんでた才能をみせてくれましたが、
なんと彼はビートメイカーとしても活躍しているそうで、
あとでそれを聞き、なるほどぉと、深くうなずいたものでした。

そんな多彩な才能を持つシェーンがリーダーとなり、
昨年ジョハネスバーグで立ち上げたのが、このマブタ。
なんとバンド名は日本語の「瞼」から取ったんだそうで、
バンド結成から間をおかずに、デビュー作を完成させましたよ。

マブタは、シェーン・クーパーのベースに、
テナー・サックス、トランペット、ピアノ、ギター、ドラムスの6人組。
おおっ、ピアノにボカニ・ダイアーが起用されていてるじゃないですか。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-11-22

ボカニは2曲目で早速、親指ピアノを模したピアノの弦をミュートしたプレイを聞かせます。
バックでシャカシャカと刻むパーカッションは、ホショを意識したものでしょう。
こういうところに、ちゃんとアフリカ音楽のエッセンスが生きてますよねえ。
この曲には、シャバカ・ハッチングスもゲスト参加しているんですけれど、
ボカニ・ダイアーのプレイで、完全に影が薄くなっちゃいましたね。

他にも、カイル・シェパードとも共演しているバディ・ウェルズのテナー・サックスに、
アルトとバリトンの3管がゲスト参加した5曲目のアフロビートや、
7曲目のエチオ・ジャズなど、それぞれ異なるカラーリングを持った楽曲が並び、
シェーン・クーパーの作編曲能力の高さは、まさしくグローバルなジャズのクオリティ。

日本盤がリリースされることなど皆無だった南ア・ジャズですけれど、
本作は日本でもリリースされるというのだから、
グローバル化もまんざらじゃありませんね。

Mabuta "WELCOME TO THIS WORLD" Kujua no number (2018)
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