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引退時代の自主制作アルバム ハイル・メルギア [東アフリカ]

Hailu Mergia  YEWEDEKE ABEBA.jpg

あれぇ、こんなCDがあるんだ。
こりゃまた、レアなCDを見つけちゃいましたよ。
エチオピア人鍵盤奏者ハイル・メルギアの98年作。

ワリアス・バンドの鍵盤奏者だったハイル・メルギアについては、
オウサム・テープス・フロム・アフリカがCD化した85年のカセットや、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2013-07-25
エチオピア音楽黄金時代の77年に残したLPのストレート・リイシュー、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2014-11-25
さらに、71歳でカムバックして新たにレコーディングした作品と、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2018-03-03
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2020-03-24
ブライアン・シンコヴィッツによるリイシューや新緑を紹介しましたけれど、これは別物。

ハイル・メルギアがアメリカ移住後に残した作品は、
オウサム・テープス・フロム・アフリカがCD化した
85年のカセット1作しか知りませんでしたが、
これは、90年代に残したゆいいつの自主制作作品のようです。
90年代に入るとハイルは、レストランやクラブでの仕事がなくなり、
91年に生活のためタクシー・ドライヴァーに転職しています。
本作は引退状態にあったハイルが、一念発起して制作した作品だったのでしょう。

ハイル・メルギアのほか、ベース、アルト・サックスの3人しかクレジットされていない、
低予算とおぼしきレコーディングは、自主制作ゆえでしょう。
打ち込みがチープなのも仕方のないところで、
85年カセット作のドンカマで耳が鍛えられた(?)せいか、
あまり気にならなくなりました。

ハイルが弾くオルガン、キーボード、シンセが幾重にもレイヤーされ、
生演奏の躍動感には到底及ばないとはいえ、熱のある演奏を聞かせてくれます。
グルーヴィなファンク・ベースとサックスが熱いブロウを聞かせる曲もありますよ。
名前から察するに、ベースはエチオピア人、サックスはアメリカ人でしょう。
全8曲すべてインスト。
いずれもエチオピア音階によるエチオピアン・ムードたっぷりの楽曲です。

Hailu Mergia signiture.jpg
ところで、入手したCDのインナー表紙の裏には、
「マイ・フェヴァリット・オルガニスト、
ジミー・スミスへ」というハイルの自筆があり、
00年8月7日の日付が記されています。
ジミー・スミスとも交流があったんでしょうか。

CDケースには、ハイル・メルギアの
名刺も添えられていました。
(Mergla となっているのは、誤植?)
これをみると、ハイルはアーリントンに
自宅があったようです。
演奏活動をしていたワシントンDCから、
ポトマック川を渡ってすぐの場所ですね。
肩書に「ピアニスト、キーボーディスト、
アレンジャー、プロデューサー」とあるところに、
引退状態にあっても、復活のチャンスを
うかがっていたことが伝わってきます。

Hailu Mergia card mosaic.jpg

Hailu Mergia "YEWEDEKE ABEBA" no label no number (1998)
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