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新世代UKジャマイカン・ジャズ・ヴォーカリスト シェリス [ブリテン諸島]

Cherise  CALLING.jpg

なんて麗しい声。このみずみずしさが、まず才能だなあ。
そして品があるよね。たおやかな歌いぶりのたたずまいに、惹きつけられました。

UKから登場した新進ジャズ・シンガー・ソングライター、シェリスのデビュー作。
名門トリニティ・ラバン・コンセルヴァトワール大学を卒業し、
19年にジャズFMのヴォーカリスト・オヴ・ザ・イヤーを受賞したシェリスの歌声は、
これまでシード・アンサンブルやヌビアン・ツイストのアルバムでその声を聴いていました。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2020-06-24

満を持してのデビュー作、期待をしのぐ素晴らしい出来じゃないですか。
北米R&Bとは一線を画す、UKソウルの風合いを強く持ったシンガーです。
アニタ・ベイカー、トニ・ブラクストン、サム・クック、スティーヴィー・ワンダーといった
ソウル・シンガーが好きで、ジャズ・ヴォーカリストを目指してからは、
エラ・フィッツジェラルドにもっとも影響を受けたといいます。
この人もまた、トゥモロウズ・ウォリアーズでトレーニングを受けたんですね。

本デビュー作はキーボード、ギター、ベース、ドラムスという
シンプルな編成をバックに歌っていて、シャーデーを思い浮かべる人が多いかも。
キーボード奏者がアレンジしたストリングスをフィーチャーした曲の仕上がりも極上。
こんな上質のアルバムが、自主制作でしか出せないというのがなんだかなあ。

アルバムの中で、21年に亡くなったシェリスの祖母
イヴリン・ハダサ・バーネットのモノローグがあちこちでフィーチャーされています。
歌詞カードの最後にイヴリンへの献辞のクレジットがあり、
ジャマイカ生まれと書かれているので、シェリスはUKジャマイカンなのですね。

そんなルーツに誇りを持ちつつ、家族への感謝も歌に綴られています。
心に沁み入るスポークン・ワードを聴いていると、
この人の育ちの良さが感じられて、すごく親しみをもてます。

Cherise "CALLING" Cherise Adarams-Burnett CAB001CD (2023)
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