淑やかなヴェトナム歌謡 ニュ・クイン [東南アジア]
あぁ、これはいいなあ……。
ニュ・クインの新作に聴き惚れています。
結婚・出産のブランクを経て6年ぶりにリリースされた昨年のアルバムが、
いまひとつナットクいかなかっただけに、この新作には大満足です。
前作がナットクいかなかったのは、バックのサウンドが妙に凝っていたから。
ハードロック調のディストーション・ギターが飛び出したり、
むせびなくテナー・サックスをフィーチャーしたりと、
余計な小細工がうっとうしかったんですよね。
ニュ・クインのバックに、こんなサウンドはいりませんって。
新作では、そういった妙な趣向は凝らさず、
保守本流のヴェトナム歌謡に徹したプロダクションとなっていて、
しっぽりとしたニュ・クインの歌とじっくり向き合い、楽しむことができます。
打ち込みとハードロック調ギターがにぎやかな曲も1曲あったりしますけど、
前作のような違和感は感じずにすみます。
その1曲をのぞき、レパートリーはいずれもヴェトナムの民歌調バラード。
哀歓のあるメロディーを、丁寧にゆったりと歌うニュ・クインの発声は、
見事に力が抜けていて、その純度の高さはアジア随一といえるんじゃないでしょうか。
ニュ・クインのアルバムでは、これまで03年の“TƠ TẰM” が一番好きだったんですけど、
淑やかさを増したこの新作は、“TƠ TẰM” 以上の愛聴盤となりそうです。
Như Quỳnh "LẠ GIƯỜNG" Thúy Nga no number (2011)
2011-04-05 00:00
コメント(2)
Duyên Phận と LẠ GIƯỜNG2枚聞きましたが、私はDuyên Phậnの方が歌い口がよりねっとりと濃厚に感じられて好きです。プロダクションも全然気になりませんでした。音の録り方の問題なのかもしれませんが、LẠ GIƯỜNGの方はよりコンテンポラリーかつ薄く感じられます。
何れにせよ、アジア歌謡最高の歌手であることは変わりないんですけどね。
by ナックル (2011-04-22 01:56)
う~ん、微妙な好みの違いでしょうか。
それだけ大勢のファンがいる、アジア歌謡最高の歌手ということですね。
by bunboni (2011-04-22 06:41)