ドン・ポルフィリオへ行こう [南アメリカ]
ペルー音楽ファンには、嬉しいクリスマス・プレゼントです。
サヤリーのクリオージョ音楽新作2枚組をヘヴィー・ローテーションとしていたところに、
老舗レーベルのイエンプサからリリースされた、アフロペルー音楽の極上アルバムが届きました。
リマのバランコ地区にある有名なペーニャ(ライヴハウスのことです)、
ドン・ポルフィリオで活動する歌手や演奏家たちによる一大セッション・アルバムです。
ドン・ポルフィリオは、アフロペルー音楽復興の草分けドン・ポルフィリオ・バスケスの息子で
歌手のアベラルド・バスケスが84年に設立したペーニャで、父の名前が名付けられています。
アベラルドは晩年このペーニャを拠点に活動していました。
アベラルド・バスケスといえば、60年代にアフロペルー音楽を再興させた
ニコメデス・サンタ・クルースのグループ、クマナーナのフロントを務めた名歌手。
亡くなる前年の2000年に出したソロ・アルバム
“VALSES - MARINERA LIMEÑA - FESTEJOS” は、
アフロペルー独特の哀愁が滲み出た忘れられぬ名盤として、多くのファンに愛されていますね。
ずいぶんあとになってから知ったことですけど、アベラルド・バスケスは、
ペルー音楽舞踏団インティの一員として77年に来日していたんですね。
インティのメンバーにハイメ・グアルディアがいたことはよく知られていますけど、
アベラルド・バスケスまでメンバーにいたとは知りませんでした。
う~ん、当時インティを観なかったのは、つくづく悔やまれますねえ。
さて、このイエンプサ盤ですけれど、ドン・ポルフィリオにちなんだアルバムに
アベラルド・バスケスはなくてはならないということで、
古いEP盤からおこした、アベラルドが歌う1曲を収録しています。
そして、アベラルドの遺志を継いだ歌手や演奏家たちが、
コスタ(海岸部)に伝わってきたマリネーラ、トンデーロ、フェステーホ、バルスといった
レパートリーを次々と繰り広げていて、その芳醇な味わいに酔いしれるほかありません。
今でも週末のバランコ地区のペーニャでは、こんな濃い口のアフロペルー音楽を聴けるのかと思うと、
いますぐにでもリマへ飛んでいきたくなります。
Various Artists "VAMOS DONDE PORFIRIO" Iempsa IEM723 (2011)
Abelardo Vásquez "VALSES - MARINERA LIMEÑA - FESTEJOS" Iempsa IEM0471-2 (2001)
2011-12-25 00:00
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