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コンゴ音楽の新たなイノヴェイター ジュピテール&オクウェス・アンテルナシオナル

Jupiter & Okwess International  HOTEL UNIVERS.JPG

スタッフ・ベンダ・ビリリに関しては、音楽の内容そっちのけで、
障碍者であることや、貧しいストリート・ライフの物語ばかりが過剰に語られ、
いつからアフリカ音楽はそんなことを売り物にするようになったんだよと、
どうにもナットクいかず、素直に楽しむことができませんでした。
彼ら自身の問題ではなく、レーベル側の売り出し方への反感だったんですけどね。

スタッフ・ベンダ・ビリリの記事は各方面に山ほど載りましたけど、
音楽についてまともに書かれていたのは、
彼らの来日時に石田昌隆さんがインタビューした記事だけだったしなあ。

というわけで、同じフランス人コンビが見出したキンシャサのゲットー・ミュージックでは、
スタッフ・ベンダ・ビリリより、ぼくはジュピテール・バゴンジに注目していました。
ジュピテール・バゴンジの音楽性には明確な戦略があり、
コンゴ音楽の新たなイノヴェイターとなりうる可能性を感じさせたからです。

その戦略とは、ルンバ・ロックやンドンボロのようなダンス・ミュージックでもなければ、
フォルクロールのような伝統音楽の再構築をめざしたものでもない、
コンゴの多様な伝統リズムとファンクやレゲエなど汎用性の高いグローバル・リズムとの連結です。
ジュピテールは青年期にすごした東ドイツでロック、ソウル、ファンクを知り、
それらがすでにコンゴにあるリズムやメロディと同じことに気付いたといいます。

忘れられた各民族の伝統リズムをブラッシュアップするという手法は、
フォルクロールと同じものですけれど、ファンクやレゲエなどのリズムとの連結は、
単なるリズムの借用でもなければ、ミクスチャーとも異なる音楽的アイディアの深みを感じます。
それを鮮やかに示して見せたのが本作の1曲目で、
コンゴ流アフロビートともいうべきその仕上がりは、あっぱれとしかいいようがありません。

こういう音楽的実験が上手かった人というと、
ヌビア音楽を革新した故アリ・ハッサン・クバーンが思い浮かびます。
クバーンも、ヌビアの多様なリズムとよく似た外国音楽のリズムを使って聞かせるのがうまい人で、
知らない人が聴けば、ジェイムズ・ブラウンに影響されたのかと勘違いさせてましたからね。

07年の前作“MAN DON’T CRY” を大幅にブラッシュ・アップして、
世界的なマーケットに通用する作品として仕上げたのこの最新作。
ボブ・マーリーの“CATCH A FIRE” に匹敵する名盤と、太鼓判を押しましょう!

Jupiter & Okwess International "HOTEL UNIVERS" Out Here OH024 (2013)
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