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ユニークなミャンマー式ピアノ、サンダヤー アウン・チョー・ミョ、サンダヤー・ チッスウィ [東南アジア]

Aung Kyaw Myo  MUSIC OF BURMA  BURMESE PIANO.jpg

ミャンマーのスライド・ギター・アルバムと同時にリリースされたのが、
これまた世界でも稀に見るユニークな、ミャンマーのピアノ・ソロ・アルバム。
ミャンマーでは<ピアノ>と呼ばず<サンダヤー>と呼ぶことは、以前にも書きました。

もう一度復習すると、ビルマがイギリス統治下だった1870年代に、
イタリアの外交官がビルマの王宮にピアノを寄贈し、
宮廷楽師たちが<サンダヤー>と名付けたんですね、
サイン・ワインのアンサンブルと演奏するための独特の演奏法を編み出し、
20世紀初頭には無声映画の伴奏にサンダヤーが盛んに使われ、ポピュラー化したのでした。

ギターがすたれてしまったのとは違って、
サンダヤーはいまでも伝統音楽の場で演奏されていて、
ソーサーダトンなどの歌手のバックにも、サイン・ワインとともによく登場します。
日本にもサンダヤーを弾くミャンマー人がいて、サンダヤー・トゥンエーヌエさんは、
在日ミャンマー人社会のイヴェントで必ず登場するピアニストとして有名です。
メースウィとマーマーエーが来日した時も、トゥンエーヌエさんがバックを務めていました。

ピアノのようなピッチが固定された楽器で、
ミャンマーの7音階をどうやって演奏するのだろうと思っていましたが、
サンダヤーは竹琴のパッタラーに合わせて白鍵を調律し直されていることを、のちに知りました。
演奏法もパッタラーにならい、親指と人差し指だけを使う運指を基本とするそうです。
それであのユニークなピアノ・サウンドができるんですね。

Sandayar Chit Swe  A CHIT PAN SAY KHIN (1).jpg   Sandayar Chit Swe  A CHIT PAN SAY KHIN (4).jpg

サンダヤーのアルバムというと、長年愛聴してきたのが、サンダヤー・チッスウィの2枚。
ぼくが秘かに<ミャンマーの亀井静香>と呼んでいるオッサンなんですが、これはぶっとぶよー。
人に聞かせると、十人が十人、何これ?と必ず訊かれるという、抱腹絶倒のアルバム。
歌も歌っているんですが、サンダヤーの演奏にスポットがあてられていて、
ヴァイオリンやシンセサイザーがバックに付くパートもあれば、
洋楽風のバンド演奏とサイン・ワイン楽団が交互に演奏するという、
ヴェトナムのカイルオンと同じ形式の曲もあります。

ミャンマー音楽を聴いたことのない人を驚かすのに、サンダヤー・チッスウィは絶好なんですが、
サンダヤーの演奏をじっくりと聞くには、このアウン・チョー・ミョのCDは最高です。
パッタラーを置きかえたプレイと、西洋風の奏法を織り交ぜながら演奏しているところが
なんとも妙味で、楽しめます。

Aung Kyaw Myo "MUSIC OF BURMA BURMESE PIANO" Rollers ROL002 (2015)
Sandayar Chit Swe "A CHIT PAN SAY KHIN (1)" May no number
Sandayar Chit Swe "A CHIT PAN SAY KHIN (4)" May no number
コメント(3) 

コメント 3

ichi

こんにちは、ミャンマーのピアノ音楽を探していてたどり着きました。宜しければAung Kyaw Myoという方のレコードかCDってどこで手に入るかご教示頂けませんでしょうか。。。
by ichi (2016-03-15 22:53) 

bunboni

こんにちは。
渋谷のエル・スール・レコーズで扱っています。
現在移転中で、3月24日に再オープンの予定だそうです。
http://elsurrecords.com/
by bunboni (2016-03-16 06:20) 

ichi

エルスール、3/24に再オープンなんですね!情報を見逃しておりました。ありがとうございます!
by ichi (2016-03-16 18:43) 

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