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カーボ・ヴェルデのリズム・カクテル ミロカ・パリス [西アフリカ]

Miroca Paris  D’ALMA.jpg

カーボ・ヴェルデの旧作を、もう1枚発掘。
リスボンを拠点に活動しているマルチ奏者、ミロカ・パリスのデビュー作です。
セザリア・エヴォーラのバンドで、11年間パーカッションを担当、
リスボンに移住したマドンナとツアーをするなど、数多くのアーティストと共演し、
リスボンのルソフォン・ミュージック・シーンで活躍するミュージシャン。

手元のCDをチェックしてみると、サラ・タヴァレスの
“BALANCÊ” “XINTI” “FITXADU” の3作や、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2009-08-03
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2017-12-15
ルーラの“DI KORPU KU ALMA”“ECLIPSE”、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2010-10-01
ナンシー・ヴィエイラの “LUS” のほか、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2013-08-04
アンゴラのキゾンバ・シンガー、アリーの“CRESCIDA MAS AO MEU JEITO” など、
ヘヴィロテした愛顧盤に、ミロカがパーカッションでクレジットされていました。

ミロカ・パリスの本名は、アデミロ・ジョゼ・パリス・ミランダ。
パリスという名に、ん?と思ったら、やっぱりティト・パリスの甥っ子だそうです。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2018-01-12
79年ミンデーロの生まれで、セザリア・エヴォーラのバンドに参加したのは、
ティト・パリスの引き立てがあったんでしょうね。

長く裏方を務めていたミロカが、
シンガー・ソングライターとして表舞台に立った本デビュー作では、
自身が弾くナイロン弦ギターを中心に、アクースティックな音作りで、
コラデイラやフナナーなどのカーボ・ヴェルデのリズムに、
アンゴラのセンバやブラジルのサンバなど、
ルソフォン・ミュージックのリズム・マスターの才が光ります。

バックには実力派のミュージシャンが揃い、トイ・ヴィエイラのギターに、
ディノ・ディサンティアゴがバック・コーラスで参加しています。
コンテンポラリーに寄せたサウンド作りがうまく、
バンドリン、トランペット、オーボエといった楽器の起用もツボにはまっていますねえ。
フェローを効果的に使っているところは、カーボ・ヴェルデのパーカッショニストならでは。
フナナー・メドレーでは、管楽器やロック・ギターも取り入れ、
ドラマティックな演出でポップに仕上げるところは、スキルあるなあ。

少しヒビ割れた声でやるせなく歌うメロウな歌い口には、少年の面影もあって、
シンガーとしてもなかなか魅力のある人。
クレオールらしい哀歓のあるソングライティングも申し分なく、
カーボ・ヴェルデのリズム・カクテルを楽しめる一枚となっています。

Miroca Paris "D’ALMA" Miroca Paris Production MPPCD001 (2017)
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