SSブログ

ディスコ・ハウスの意外な使い道 ノヴァ・フロンテイラ [ブリテン諸島]

Nova Fronteira  FULL FRONTEIRA.jpg

すっかりコロナが明けてしまった後ではあるんですが、
今頃になってリモート・ワークを始めるようになりました。
家で仕事をするのは、あまり気が進まないんですけれども。
これまで自分が担当していた仕事が、リモート不能な業務ばかりだったので、
コロナ蔓延中もずっと通勤していたんですが、システム環境が整い、
業務プロセスも見直されたため、週2日在宅勤務をすることになりました。

ゆいいつ在宅勤務のいいのは、音楽を聴きながら仕事ができることですかね。
こればっかりは、職場じゃできないからねえ。
でも昔にも、音楽を聴きながら仕事をしていたことが、わずかにありました。
20年前、監査の部署にいたときのことです。
各地の事業所を4泊5日で監査して、年100日近く出張する
ドサ回り生活をしてたんですが、なかなか得難い経験でした。

事業所の実査を終えた最終日前日の夜が、いちばんキツかったんですよ。
ビジネス・ホテルの部屋に缶詰めで、
監査調書を徹夜で仕上げなければならなかったんです。
その夜はエナジー・ドリンク代わりに、
アッパーな音楽をイヤホンで流し込みながら、
1万字超の報告書と関係データをグラフ化した参考資料を仕上げるのに、
悪戦苦闘しました。

この部署には都合3年いましたが、
少し慣れた2年目から少し睡眠をとれるようになったものの、
最初の年なんて、ほんとに一睡もできなかったですもん。
朝になってもまだ仕上げられなくて、朝メシ抜きで
カタカタとキーボード叩いてたもんなあ。

調書を書くBGMで最適だったのは、
気分をハイ・テンションに持っていけるイケイケのディスコ・ハウスでした。
耳から爆音を流し込めば、強烈なグルーヴに、
身体の血流も上がって、足や肩が勝手にリズムをとりながら、
指が快調にキーボードを叩いてくれたもんです。
ディスコ帝王ジョーイ・ネグロのサンバースト・バンドとか、
Z・レコーズの諸作は、本当にお世話になりましたねえ。

UKのDJ、ジョーイ・ネグロは、ハウス・ミュージックに
ディスコ・サンプルを組み込んだ最初のアーティストで、
数えきれないアルバムを制作したダンス・ミュージック・シーンの重鎮。
90年代後半から00年代になると、リミキサーとしての活躍もめざましく、
ダイアナ・ロスやペット・ショップ・ボーイズなど名だたる人気アーティストの
リミックスをてがけ、名プロデューサーの地位を確立しましたね。

徹頭徹尾ダンス・フロア向けに作られた、
ジョーイ・ネグロのレーベル、Z・レコーズにこんな使い道があるとは、
ジョーイ・ネグロもまさか思いつくめえ(笑)。
安ビジネス・ホテルのシングルなんて、デスクはちっぽけだし、
照明は暗いし、およそ仕事をするような環境じゃないんだけど、
そこを無理やりアドレナリン放出させて一晩格闘するには、
強烈にブギーなハウスが必需品だったんですよ。

Earth, Wind & Fire  LIVE IN RIO.jpg

ちょうどこの頃、EW&Fの全盛期といえる
82年未発表ライヴ “LIVE IN RIO” が突然出て、
絶好のBGMになってくれたものですけれど、
ノヴァ・フロンテイラの本作はEW&Fをも凌ぐグルーヴで、
この2枚は監査中のホテルの夜のお供盤として鉄板になりました。

ひさしぶりに聴いたけど、いやぁ、アガる、アガる。
とびっきりディスコなトラックをアレンジしてるのは、
デイヴ・リー(ジョーイ・ネグロ)だしねえ。
ミケーレ・キアッヴァリーニのユニット、ノヴァ・フロンテイラは、
このアルバム以外知りませんが、Z・レコーズの最高傑作でしょう。

ラテン・フュージョンやブラジリアン・フュージョンを練り込んで、
ひたすらアップリフテイングなトラックで攻めまくる70分。
サマー・アンセムとしていまなお通用するディスコ・ハウスの逸品です。

Nova Fronteira "FULL FRONTEIRA" Z ZEDDCD04 (2002)
Earth, Wind & Fire "LIVE IN RIO" Kalimba 9730012 (2002)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。