厳寒期はドラムンベース オムニ・トリオ [ブリテン諸島]
ドラムンベースって、冬の寒さが厳しくなる頃になると、
棚から取り出してくるんですけれど、その筆頭作がオムニ・トリオの01年作。
今回は歌ものじゃなくて、ドラムンベースど真ん中の作品です。
高速に疾走する硬質なジャングル・ビートとピアノの耽美な響きが、
頬にあたる凍てつく空気の中を歩くのに、すごいフィットするんですよね。
オムニ・トリオはトリオでもなんでもなく、
ジャングリストのロブ・ヘイのソロ・プロジェクト。
ドラムンベースのレーベル、ムーヴィング・シャドウの看板アーティストでした。
当時ドラムンベースやハウスは、作品単位で聴いていたので、
一人のアーティストをずっとチェックするようなことはしてなかったんですが、
ドラムンベースのオムニ・トリオと
ハウスのラリー・ハード(ミスター・フィンガーズ)だけは、
例外的にフォローしていた人たちでしたね。
オムニ・トリオも、95年のムーヴィング・シャドウ初作からずっと聴いていました。
初期は無機質な冷たさがあったものの、
だんだんと温もりのあるメロディアスで幻想的なサウンドスケープを描くようになって、
コズミックでフューチャリスティックな世界を完成させたのが、この01年作でした。
うん、やっぱりこれがオムニ・トリオの最高傑作じゃないかな。
当時オムニ・トリオや、LTJブケム、4ヒーローといったドラムンベースは、
アートコアと呼ばれていましたけれど、いまでもこのジャンル名は通用するのかしらん。
アンビエント・ドラムンベースというか、メロディアスなのが特徴でした。
本作のきらきらとしたピアノの響きや荘厳なストリングスに、
高速ビートのループが絡んで生み出されるスペイシーでヒプノティックなムードは、
クラブよりリスニング・ルーム向けであったことも、ぼくが惹かれた要因だったと思います。
Omni Trio "EVEN ANGELS CAST SHADOWS" Moving Shadow ASHADOW26CD (2001)
2024-01-19 00:00
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