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エレクトロニック・ポップの極北 エリカ・ド・カシエール [北ヨーロッパ]

Erika De Casier  STILL.jpg

おぉ、もう2年半も経っていたのか。
タイトルどおり、ぼくにとってはセンセーショナルだったエリカ・ド・カシエールの前作。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2021-09-23
すっかりトロけさせられたあのアルバムから、もう新作?と思ったら、
2年半も経っていたんだね。

この音楽をオルタナR&Bと呼ぶにせよ、アンビエントR&Bと呼ぶにせよ、
そもそもR&Bを名乗らなくたって、いいんじゃないですかね。
そんなことを思わせる、まさしくオルタナティヴ・ポップの極北といえそうなサウンドです。
UKガラージをベースとするのは、Y2Kリヴァイヴァルと並走しているし、
エリカの歌い込まないアトモスフェリックな歌唱だって、
トリップ・ホップを汲むものだしね。

エレクトロニック・ポップの最先端ともいえるそのエリカ・ド・カシエールが、
ニュージーンズに楽曲提供したのには驚いたけど、今作収録の ‘Lucky’ を聴けば、
実験性とポップの共存がとんでもなく高いレヴェルで実現していて、
アンテナの高いニュージーンズのプロデューサーが起用するのもナットクできます。
レゲトンやヒップ・ホップをやってるのに、それらしく聞こえない音作りって非凡だよねえ。

耳元をくすぐるような甘いヴォイス、
デリカシーの塊のような磨き上げられた音色。
アンニュイな歌の表情がエクスタシーへと誘われるのは、前作同様。
今回は生楽器も使われているらしく
( ‘Twice’ のドラムスのブラシはエリカが叩いているとのこと! )、
前作とは作り方が違うといいますが、聴感上はあまり変化を感じず。
それほど音像の完成度が高いということなんでしょう。

こういう最先端の音楽を、オールド・メディアのCDでもちゃんと出してくれるところに、
オールド・エイジのファンとしては感謝の限りなんであります。

Erika De Casier "STILL" 4AD 4AD0639CD (2024)
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