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年の瀬はジャイヴで スキャットマン・クローザーズ [北アメリカ]

Scat Man Crothers  R&B Legacy.jpg

いい年の瀬です。
仕事・家庭・プライヴェート三拍子揃って、
一点の翳りもない年なんて、人生、なかなかありませんよ。
こういう年だって、時にはなくっちゃねえ。
多事多難な年ばっかりじゃあ、身がもちません。

そんな幸せ気分で満ち足りている年末に、嬉しい1枚が届きました。
ぼくのごひいきのジャイヴ・シンガー、スキャットマン・クローザーズの編集盤です。
2年前、ジャスミンから、56年トップス盤全12曲に、
48年から56年までの17曲をボーナス・トラックとして加えた好編集盤が出ましたが、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2019-08-21
今回のフレッシュ・サウンド盤は、44年から56年までの53曲を2CDに詰め込んでいます。
ジャスミン盤とのダブりはごくわずかで、
以前ハイドラから出た編集盤とのダブりも数曲しかないので、
スキャットマン・クローザーズのファンは言うに及ばず、ジャイヴ・ファン必携でしょう。

スキャットマン・クローザーズの芸人魂を炸裂させた
ジャイヴィーなヴォーカルをたっぷり味わえるだけでなく、
スウィング・ジャズからロックンロールに至る、
黒人芸能音楽のサウンドの変遷がたどれる、秀逸な編集盤となっています。

ディスク1は、44年から51年までの27曲をコンパイル。
いちばんの聴きものは、自身のオーケストラによる冒頭の3曲でしょう。
44年、ハリウッドのNBCスタジオでの公開録音なんですが、
スキャットマン自身がドラムスを叩きながら歌うというパフォーマンスで、
粋なMCに観客の拍手もノリノリで、アタマから気分が上がります。

ディスク2は、51年から56年までの26曲をコンパイル。
アルバム・タイトルの「R&Bレガシー」に、いささか苦笑していたんですけれど、
52年の‘Papa (I Don't Treat That Little Girl Mean) ’ は、たしかにR&B。
バックを務めるのは、レッド・カレンダー率いるセクステットで、
ドラムスはなんとチコ・ハミルトン! 
ウェスト・コースト・ジャズを築いたドラマーのチコ・ハミルトンも、
初期にはこんなR&Bを叩いてたんですねえ、こりゃあ、ビックリもん。

20ページのブックレットには、貴重な写真にクレジットも完備で申し分なし。
「R&Bレガシー」だとか、「元祖ロックンロール」だのと、いろいろ言われますが、
ぼくに言わせれば「100%ジャイヴ」のスキャットマンであります。

Scat Man Crothers "The Scat Man Crothers R&B Legacy 1944-1956 " Fresh Sound FSRCD1110
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