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反骨の老女ビ・キドゥデのドキュメンタリー映画 [東アフリカ]

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2年前に来日したザンジバルのカルチャー・ミュージカル・クラブ、覚えてますか。
スペシャル・ゲストでやってきた95歳(推定)のビ・キドゥデ、スゴイ迫力でしたね。

91年に続く2度目の来日でしたが、前回以上のパワフルな姿に圧倒されたものです。
小柄な身体ながら、胴長の太鼓をカンガ(紐)で腰に縛ってまたがり、
立ち姿で太鼓を叩きながら歌う姿には、神々しささえ覚えました。
リズムが狂うと、眼光鋭くメンバーに睨みを利かせて演奏を止めさせ、
ダメ出しする鬼監督ぶりにもドギモを抜かれました。
若いメンバーなんて、「おっかねー」って感じでビビッてましたもんね。

そのビ・キドゥデのドキュメンタリー映画“AS OLD AS MY TONGUE”がようやくDVDになりました。
出る出るといわれ続けて3年、ようやくのリリースです。
PAL方式のイギリス盤DVDですが、パソコンなら観れます。

女性ターラブ・グループ、サヒブ・エル=アリー・ミュージカル・クラブとのレコーディング風景や、
伝説の女性歌手シティ・ビンティ・サアドのSP盤をかけるシーンなど、
ターラブ・ファンには画面クギ付けの見所もありますが、
やはり一番強く心に残るのは、成女儀礼ウニャゴの伝承歌やターラブを歌いながら、
ザンジバル女性の意識解放に大きな役割を果たしてきたビ・キドゥデの立ち位置でした。

男性中心の保守的なイスラム社会において、ビールをぐいぐい飲み干すわ、
タバコを吸うわのビ・キドゥデは、まさしく破天荒な存在であったはず。
そうした彼女の反骨精神が、
ザンジバルの女性たちに多くの勇気や自由を与えてきたのではないでしょうか。
ウニャゴを高らかに歌い踊るビ・キドゥデと女性たちのはじけるような笑顔には、
女性同士の連帯感が満ち溢れていました。

映画は、インド洋を航行するダウ船や迷路のようなストーン・タウンなど、
美しいザンジバルの風景もたっぷりと写し取られています。
ザンジバルはぼくにとって夢見の島。
またいつの日か、再訪したいものです。

[DVD] Dir: Andy Jones "AS OLD AS MY TONGUE : The Myth and Life of Bi Kidude" ScreenStation Production (2006)
左からスリップ・ケース、DVDジャケット、ブックレット
コメント(2) 

コメント 2

yoshito sekiguchi

ビ婆さんのDVD見たいですね。ぼくにとってもザンジバルは赤道の
灼熱に幻惑された思い出の島です。当地でターラブも微かに聞いたのに(99年)あまり印象に残っていません。再び訪れるのはちょっと無理だろうなあ。DVD入手したいです。
by yoshito sekiguchi (2009-08-05 10:36) 

bunboni

DVDは英スターンズで入手できます。エル・スールにお願いしても、きっと取扱OKでしょう。(ですよね?原田さん)

ぼくは90年にザンジバルへ行き、ブワワニ・ホテルのテニス・コートで、ターラブのコンサートを観ました。
ムウィニ大統領(当時)がお忍びで現れたので、コンサートを撮るふりをしながら大統領にもレンズを向けて撮ったら、
案の定、あとでセキュリティに捕まり、フィルムを没収されてしまうなんてハプニングにもあっちゃいました。
でも、撮り終えたフィルムはあらかじめ抜き取って隠しておいたので、無事日本に持ち帰ることができたんですけどね。
没収されたのは未撮影の替え玉で、セキュリティをいっぱい食わしてやったというわけです。いまとなっては懐かしい思い出ですね。
by bunboni (2009-08-05 21:34) 

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