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寄席囃子のおもしろさ [日本]

ひので会.JPG

神楽にすっかりヤられてしまい、少し日本の音楽を聴き直してみたくなりました。
で、真っ先に手を伸ばしたのが、2年前にCD化されたひので会の寄席囃子のCDです。

寄席に行った時の、なんだかウキウキする楽しい雰囲気ってありますよね。
あの雰囲気を醸し出しているのが、まさしく寄席囃子の演奏なんですけど、
その演奏をじっくり聴いてみたことのある人なんて、ほとんどいないんじゃないんでしょうか。
ぼくも寄席のBGMぐらいにしか思っていなかったので、このCDは目ウロコでした。

このCD、すごくおもしろいんですよ。ぼくは名盤だと思ってるんですけどね。
原盤は69年に出た2枚組LPで、なんと70曲も収録されているんです。
なんたってレパートリーが多彩で、リズム・パターンの豊富さといったら、ちょっと驚きますよ。

寄席囃子って、歌舞伎の下座音楽をはじめ、清元、常磐津などの浄瑠璃に、長唄、小唄、
さらに俗謡、民謡なんでもござれのフュージョン・ミュージックなんですね。
邦楽というと、専門ごとに細分化された分野として聴かれがちですけど、
寄席囃子ではそんなこといっちゃられない。
どんな分野もこなさなきゃならないんだから、演奏者には相当な力量が要求されるわけですね。

全曲、寄席囃子独特の軽やかなスウィング感たっぷりの演奏なんですけど、
じっくり聴くと、リズム・パターンが実に多彩なことがわかります。
複雑なリズム・パターンやブレイクがあったりする曲では、もたついたりする場面もありますが、
反対にオハコの曲では、余裕しゃくしゃくでタメを利かせてグルーヴィな演奏を聞かせる曲もあり、
聴きどころがいっぱいです。

日本の音楽のリズムの豊かさに、目を見開かされる一枚ですよ。

ひので会 『寄席囃子』 財団法人日本伝統文化振興財団/ビクター VZCG636 (1969)
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