セレブの気品薫るファド マリア・テレーザ・デ・ノローニャ [南ヨーロッパ]
朝晩、めっきり冷えるようになってきました。
こういう季節になってくると、聴きたくなるのがファドです。
気力十分の時は、アマリア・ロドリゲスやルシーリア・ド・カルモを聴くんですが、
疲れていてリラックスしたい時は、
マリア・テレーザ・デ・ノローニャやカルロス・ラモスが定番となっています。
ちょっと最近は疲れ気味なので、ノローニャ気分になることが多いですかね。
で、いつも手が伸びるのが、65年のアルバム“SAUDADE DAS SAUDADES”です。
ノローニャの最高傑作といえるこのアルバム、聴くたびにホレボレとしてしまいます。
以前はEMIから出ていましたが、今はソン・リブレから再発されています。
ポルトガル盤はプレス数が少ないうえ、流通も悪いので、
見つけたら即買っておかないと、あとで後悔すること必至です。
ノローニャのファドは、ダイナミックにコブシを回すアマリア・ロドリゲスとは正反対の個性で、
素直な美しい発声と滑らかな歌い回しが持ち味です。
その歌唱も対照的なら、生まれや育ちも対照的で、
アマリアがリスボンの貧しい家庭の生まれなのに対し、
ノローニャはポルトガルとカスティリア両国の王家の血筋を受けたという名家の出身。
しかも結婚後は伯爵夫人となったほんまもんの超セレブですから、
最近の成金セレブとは訳が違います。
ノローニャのCDといえば、絶頂期といえる56年から71年までの計74曲を4枚のCDに収め、貴重な写真を満載した36ページのブックレット付豪華CDブックという決定盤が出たんですけれど、リリース後まもなく、ヴァレンティン・デ・カルヴァーリョ音源の権利がEMIからソン・リブレに移ってしまい、すぐに廃盤となってしまったのは不運でした。
EMI盤が廃盤になっていたことを知らず、以前『レコード・コレクターズ』で紹介してしまい、ある方から手に入らないじゃないかと、お叱りを受けてしまいました。も、申し訳ありません…。
“SAUDADE DAS SAUDADES”を再発したのだから、このCDブックも再発してほしいものです。
Maria Teresa De Noronha "SAUDADE DAS SAUDADES" EMI 07243 495277 2 0 (1965)
Maria Teresa De Noronha "MARIA TERESA DE NORONHA" EMI 7243 577037 2 7
2009-11-27 06:22
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