ティーンが歌うファド ジョアナ・アメンドエイラ [南ヨーロッパ]
新世代のファド歌手はどうも玉石混淆といった感じで、人気と実力が相反している人もチラホラ。
そんななかジョアナ・アメンドエイラは、確かな歌唱力で安定したアルバムづくりをしている一人です。
日本でもライスから発売されているアルバムはよく知られていますが、
十代の頃リリースしたアルバムについては、あまり知られていないんじゃないでしょうか。
ライス盤の解説を読むと、ジョアナはわずか12歳でリスボンのファド・コンクール、
グランデ・ノイテ・ド・ファドに史上最年少で出場したとあります。
そして翌94年には、最優秀女性歌手部門で優勝するという偉業を達成。
この年頃でフツーなら、アイドル歌手のオーディションだろうに、それがファドのコンクールですよ。
13歳で最優秀女性歌手って…、スゴすぎです。
とはいえまだ未成年ですから、夜間営業のファド・ハウスで歌うことはできず、
しばらくは学業を優先したそうです。そりゃ、そーだ、まだ中坊ですもん。
16歳でデビュー作(左)を録音し、本格的なプロ歌手として活動を始めます。
デビュー作での歌声は幼さを隠せないものの、その歌い回しはすでに熟達していて、舌を巻きます。
ジョアナは18歳になるのを待って、
リスボンの名ファド・ハウス「クルーベ・デ・ファド」の専属となりますが、
その18歳の時に制作した2作目(中央)では大人ぽくなった声とともに、
表現力もぐんと広がり、成長著しいところを聞かせます。
CNM移籍前のティーンのジョアナが残したのはこの2作だけですが、
この2作を編集したエンハンスト仕様のベスト盤(右)が出ていて、
2作の冒頭の曲のヴィデオ・クリップを観ることができます。
デビュー作のクリップは、リスボンの狭い坂道を走る路面電車の風景とともに、
ういういしい16歳のジョアナが写っていて、なかなかの見ものです。
Joana Amendoeira "OLHOS GAROTOS" Espacial 3200224 (1998)
Joana Amendoeira "AQUELA RUA" Espacial 3200506 (2000)
Joana Amendoeira "MAGIA DO FADO" Espacial 3200783 (2006)
2010-02-11 00:17
コメント(2)
Fadoには全く不勉強なのですけれど、Amália Rodrigues という歌手が非常に有名なようですね。イタリアのカンツォーネのような音楽なのでしょうか?
思わずジャケ買いしちゃいそーな、美女(笑)
「ジャケットは、その内容を語る」でしょうか?
動機は非常に不純ですが(笑)どのようなタイプの音楽であれ、「官能」という要素を抜きにしたは、その魅力を十全に把握できないと、常々思っています。
by ペイ爺 (2010-02-12 13:51)
日本盤で出ているジョアナ・アメンドエイラのCDは、
なんでこんな○○に写った写真を選ぶのかってくらい、ジャケがダメダメです。
デザイナー、なんか悪意でもあんのか?
内容の素晴らしさと相反し、あまりにソンをしてますね。
もっとも若くて美人なファド歌手は、きまって歌がヘナチョコなので、
ファドに関しては、ジャケ買いはオススメしませんが。
美人ジャケがお好みなら、
カティア・ゲレイロの『至上のファド』『ファドに抱かれて』あたりが、
中身もよろしくって、オススメです。
by bunboni (2010-02-12 21:42)