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フリー・ジャズ・ファンク オディアン・ポープ [北アメリカ]

Almost Like Me.JPG    Out For A Walk.jpeg

マイルズやコルトレーンは後追いで聴いた世代なので、
同時代感覚のジャズをリアルタイムで聴いたという体験は、
80年代のジェイムズ・ブラッド・ウルマーが一番大きかったように思います。
テナー・サックス奏者オディアン・ポープを知ったのも、
ウルマーのドラマー、コーネル・ロチェスターが参加していたからでした。

オディアン・ポープは80年にメールス・ジャズ・フェスティバルへ初出演し、
82年にソロ・デビュー作“ALMOST LIKE ME”をメールス・ミュージックからリリース。
ぼくがポープにハマったのも、このデビュー作がきっかけでした。
ロリンズばりの豪放なブロウと、コルトレーン的なアプローチのソロで迫るポープに対し、
ベースのジェラルド・ヴィーズリーとドラムスのコーネル・ロチェスターが、
ロック/ファンク感覚の強烈なビートで迎え撃ったアルバム。
これほど重量感のあるアブストラクトなジャズ・ファンクを耳にしたことがなく、
初めて聴いた時はほんとにブッとんだものです。

ポープは若い頃、ジェイムズ・ブラウンやマーヴィン・ゲイなどのソウル・シンガーのバックを務め、
60年代後半からマックス・ローチ・グループで演奏し、ジャズ・プレイヤーとして頭角を現します。
70年代には地元フィラデルフィアで、サックスの多重奏団を率いた活動も始めましたが、
その実力に見合った評価やレコーディングの機会に恵まれたとは、言いがたいものがありますね。

なんせデビュー盤がアメリカじゃなくて、ドイツだったんですからねえ。
その後90年にも同じトリオでメールス・ミュージックから“OUT FOR A WALK”をリリースし、
“ALMOST LIKE ME”をさらに深化させた演奏を聴かせてくれました。
ぼくにとってポープは、この2枚が決定盤。

先日20年ぶりくらいに聴き返してハマってしまい、ここんところ毎日聴いています。
こういう爽快なジャズが聴けなくなって、ずいぶんな年月が経ってしまったような気がしますねえ。

Odean Pope "ALMOST LIKE ME" Moers Music 01092CD (1982)
Odean Pope "OUT FOR A WALK" Moers Music 02072CD (1990)
コメント(6) 

コメント 6

ペイ爺

James Blood Ulmerは、一時期良く聴きました。

当時、Swing Journalよりも、むしろMUSIC MAGAZINE の中村とうようなんかの方が褒めてましたよね。

ジミヘンやJimmy Page が、研ぎ澄まされたナイフで切り裂くような細分化された、鋭角的なGuitarリフを、空間を埋め尽くすように、紡ぎ出すのに対して、UlmerのGuitarは、あたかも鉈で薪をガシガシ割って行くような、結構大雑把だけれども、原始的な響きが魅力だったように思います。

〉これほど重量感のあるアブストラクトなジャズ・ファンクを耳にしたことがなく、
へえ~、是非聴いてみたいものです。

帝王の“Agharta”“Pangæa”のような極上・究極のFunk,響きなのでしょうか?

だとすると、Sonny FortuneみたいなSAXなのかしらん?

by ペイ爺 (2010-03-02 13:43) 

bunboni

あ、そうです、そうです。
ソニー・フォーチュンと肩を並べる力量、いや、それ以上の人と思いますよ。
ソニーもポープも同じフィラデルフィアで育った人で、
しかもポープの方がひとつ年上。
それなのに、ポープの知名度の低さって、いったい…
by bunboni (2010-03-02 21:15) 

PriPri

いやー、懐かしいです。今はどうしているのでしょうか?当時たまたまディスクユニオンで見つけてあまりの凄さに近所のジャズ喫茶のオヤジの所に持ち込んだ記憶があります。僕はOdean PopeよりもGera
ld Veaslyのベースプレイにぶっ飛んだ口です。CD盤より目尻に指を当て物憂げなPopeの表情が写るLP盤のジャケットの方が僕は好きです。
by PriPri (2010-11-03 12:03) 

bunboni

ポープは今も元気に活動中で、昨年CDも出してるようです。
ぼくも“ALMOST LIKE ME ” のジェラルド・ヴィアズリーのベースにブッとんだ口です。おっしゃるとおり、CDジャケットは変わっちゃったんですよね。

そういえば、このドラムスとベースのコンビは、ロチェスター/ヴィアズリー・バンド名義で、85年にグラマヴィジョンから“ONE MINUTE OF LOVE” というLPを出して、ポープのこのアルバムみたいなバリバリのプレイが聞けるかと期待したら、ブラコンみたいな内容にがっくりきたのを覚えています。
by bunboni (2010-11-03 12:56) 

ペイ爺

いやあー、やっとこの "ALMOST LIKE ME"、レコードの方ですけど Get しました。

ふうー、長かったナ~。

一体何回、中古レコード屋さんで「Odean Pope の "ALMOST LIKE ME" ありますか?」って尋ねたことでしょう。

内容は文句なしの最高です。どちらかと聞かれれば、❝Mwalimu❞(スワヒリ語で「マスター」という意味の様ですけど)が入ってるB面の方がちょっぴりだけど、より好きかな…。

1982年発売当時にこの三人の Live、観てみたかったです。

感無量です。

by ペイ爺 (2018-09-30 00:31) 

bunboni

お、やりましたね。
こういう骨太なジャズ・ファンクはありそうで、なかなかないですもんね。堪能してください。
by bunboni (2018-09-30 20:36) 

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