藤井郷子ma-do ＠なってるハウス

入谷のなってるハウスから、ただいま帰還いたしましたっ！
観てきましたよ、藤井郷子ma-do。
“DESERT SHIP” リリース記念ツアーの最終日でありました。
いやぁ、もう、大満足。まだアタマから湯気が出てます。

アイスランドの火山噴火の影響でヨーロッパからの帰国が遅れ、
ツアー初日はキャンセルになってしまったそうですが、
２日目の予定だった京都からは、無事にツアーをスタート。
８日間ぶっ続けツアーの最終日、桁外れな音楽のスケールに圧倒されました。

＜桁外れ＞なのは、エネルギーの放出や渦巻くグルーヴといった、
ジャズ的なスリルだけじゃありません。
荒れ狂う海から一転して凪となる静寂へと反転するスリル、
そのきわめて日本人的な美意識がくっきりと刻み込まれた構成力に、
＜桁外れ＞な才能を感じます。

藤井さんの音楽の肝は、卓越した作曲能力と構成力にあるんじゃないでしょうか。
フリー・ジャズに作曲能力と構成力ってのも、ヘンな感じもしますが、
ぼくにとって彼女の音楽は、日本建築の特徴に似た魅力を覚えます。

取り込んだ光を反射し、分散するリズム感。
規則性を持ちながら、遊びを大事にした空間のデザイン。
あいまいさをおそれない、ユーモアのあるしつらえ。
そんな和の美意識を、藤井さんのジャズに感じた一夜でした。

藤井郷子ma-do "DESERT SHIP" Not Two MW826-2 (2010)