極寒のトロピカル マルクシャイダー・クンスト [東ヨーロッパ]
ミゲリート・バルデースの名曲「ババルー」をモチーフにした、
オープニングのタイトル曲“Café Babalu”にヤられちゃいました。
やる気のなさそうな脱力ヴォーカルに、
スライド・ギターが偽ハワイアンなムードをまき散らすというまがまがしさ。
そのダルな歌と演奏にあっけにとられていたら、
中盤からトレスが加わってキューバふうになるアレンジ。
いったいどこの国のバンドかと思えば、
バルト海沿岸のロシア極寒の都市サンクトペテルブルクのバンドだとのこと。
よくまー、そんな土地でこんな能天気なトロピカル・バンドが出てきたもんだ。
人を食ったトラックはこの1曲目が一番で、
2曲目からはスカをベースに、レゲエ、サルサなどのラテン音楽から、
ジプシー・スウィング、アフロビート、コンゴリーズ・ルンバまで網羅した、
多彩なミクスチャー・サウンドを聞かせます。
このテのミクスチャー・バンドというと、バルセロナあたりのバンドだと、
パンクぽい不良性が全面に出ますが、
このバンドはもっとオヤジくさいユーモアやウイットに富んでいるところが魅力。
スカ・バンドにありがちな単調・イケイケ系にならないところもいいですね。
演奏力が高く、歌より演奏のパートに比重が置かれているのも、実力の表れでしょう。
ノルウェイのファーマーズ・マーケットとも比類するライヴ・バンドといえそうです。
Markscheider Kunst "CAFE BABALU" Gala GL10510 (2008)
2010-07-29 06:37
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