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ベスト・パートナーズ ジャスティン・アダムズ&ジュルデー・カマラ [西アフリカ]

Justin Adams & Juldeh Camara 1.jpg Justin Adams & Juldeh Camara 2.jpg Justin Adams & Juldeh Camara 3.jpg

ティナリウェンを世界に知らしめた
ワールド・ミュージックのプロデューサーでギタリストのジャスティン・アダムズと、
ガンビアのフラニ人で1弦フィドルのリティを流麗に弾きまくる
ジュルデー・カマラのコンビが日本にやってくる!
そのニュースを聴いた時は、思わずガッツ・ポーズしちゃいましたね。
この二人は“SOUL SCIENCE” “TELL NO LIES” と2作連続で大力作を出した名コンビ。
ティナリウェン以降のアフリカン・ポップスで、ぼくがもっとも期待している二人なので、
そりゃあもう、ライヴの日を心待ちにしておりました。
そして迎えた10月7日の渋谷クラブクアトロ。
期待どおりのアフリカン・グルーヴを堪能しまくって、もう大満足。

ジャスティンとジュルデーにドラムス兼パーカッションがサポートするという、
バンドとしては最少人数ながら、その3人が叩き出すグルーヴのぶっといことといったら!
ジャスティンのギターを持った立ち姿は、
若いロッカーみたいにばっちり決まった痩身なんですけど、
ストロークの一振り一振りが確信に満ちていて、
筋肉隆々の逞しさを思わせる太いビートをはじき出すのです。
そこにジュルデーのリティが抜群のスウィング感で自在に絡みつき、
両者互いに前に回ったり後ろに回ったり、並んだりしながら、
縦横無尽なインプロヴィゼーションを繰り広げます。
ジュルデーがリティを弾きながらユニゾンで歌うヴォーカルも、力強かったですねえ。
そのゆるぎない堂々とした歌いっぷりは圧巻でした。

CDだとロック色を強く感じた曲も、ライヴのノリは完全にアフリカン・グルーヴそのもの。
ジャスティンって本当にイギリス白人なのか、アフリカ人なんじゃないの?と言いたくなるほど、
彼のビート感はアフリカン・マナーなセンスに貫かれていましたね。
ジャスティンの縦ノリのビート感とジュルデーの横揺れのスウィング感が絶妙にミックスされ、
まさに二人のコンビならではのグルーヴが快感でした。
ジャスティンがンゴニに持ち替えたり、
ジュルデーが2弦バンジョーのコロゴに持ち替えて演奏する曲や、
ジャスティンがベンディール、ジュルデーがトーキング・ドラムを叩きあう曲もありましたが、
二人の息のあったインプロヴィゼーションはまさに「対話」と呼ぶにふさわしく、
アフリカン・ポップス最高の演奏をこれでもかっ!てくらい全身に浴びまくった感じです。

“TELL NO LIES” ではマディ・ウォーターズをパクるような遊び感覚も富んでいたので、
ライヴではもっとギミックぽくなるのかなと思ったら、ぜんぜんそんなことはありませんでしたね。
マディのフレーズに、ボ・ディドリー・ビートを絡ませたりして、
本気でブルースとのミクスチャーを狙ってるふうでしたけど、
それがぜんぜん実験的なものとならず、さらりと自然に聴かせてしまうところなど、
ジャスティンのミュージカル・センスは完全にライ・クーダーを凌いでます。

二人のバツグンのコンビネーションを目の当たりにしながら強く印象に残ったのは、
ジャスティンにとっても、ジュルデーにとっても、
それぞれ互いがベスト・パートナーなんだなあということでした。
ジャスティンがMCでジュルデーを紹介するその言葉に、
ジュルデーをリスペクトしている気持ちがとてもよく込められていましたし、
終演後ジャスティンと少し話をした時にも、
「どうだい、ジュルデーって、すごいプレイヤーだろう」と褒めちぎっていて、
こういうプロデューサー気質というか、相手を立てるジャスティンの人柄が、
ティナリウェンのメンバーにも信頼されたんだろうなと感じました。

Justin Adams & Juldeh Camara "SOUL SCIENCE" Wayward 704 (2007)
Justin Adams & Juldeh Camara "TELL NO LIES" Real World CDRW170 (2009)
Justin Adams & Juldeh Camara "THE TRANCE SESSIONS" Real World RWEP17 (2010)
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ホシナ

7日は会場でいろいろ教えて頂き有り難うございました。私は Justin の Desert Road が発売当時から好きでしたので 3曲目に演奏された Blue Man と言いましても「ソウル・サイエンス」ヴァージョン から燃え上がり始めたのですが、とにかく激しい陶酔感でした。

確かに Juldeh のヴァーカルは凄まじく、ある方にはメールで「絶叫」と書いて送ってしまったのですが、よくよく考えますと会場の影響が大だった気がしますけど大袈裟ではなかったと思っております。

by ホシナ (2010-10-09 22:46) 

bunboni

こちらこそ、ご一緒できて楽しかったです。
ジャズティン・アダムズの人柄にホレました。
一緒に仕事してみたいと思わせる、信頼できる人と直感しました。
by bunboni (2010-10-09 23:02) 

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