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ソプラノ・ヴォイスの民謡唄い ジーン・リッチー [北アメリカ]

Jean Ritchie.JPG

うわぁ、ついにジーン・リッチーのデビュー10インチがCD化されましたねー。
思わず手にとって、しげしげと眺めてしまいました。
もう二十年以上も前になりますけど、某レコード店でこの10インチを見つけて、
ずいぶん迷ったあげく結局買わず、あとあとまでずうっと後悔が残ってたんですよ。

ジャケットがいいんですよねえ。
絶妙なレタリングと、ジーンの頭とダルシマーだけをコラージュしたデザインがバツグンで、
う~ん、ほしいなあ、どうしようかなあと迷ったんです。
迷ったのは、ジーン・リッチーがあまり好きじゃなかったからで、
ジャケ目当てに買うのも、なんだかなあみたいに思ったからなんですね。
ずいぶん昔、ジーン・リッチーのレコードを2枚買ったことがあるんですけど、
どちらも好きになれず、手放してしまったのでなおさらでした。

その後だいぶ経って、あの10インチがジーンのデビュー作で、
フォーク・リヴァイバルの重要作とのレコード評を読み、
うわあ、やっぱり買っとくべきだったなあと大後悔。
今回ようやく、CDで四半世紀ぶりの再会となったわけです。

民謡唄いというと、ぼくはスコットランドのジーニー・ロバートソンのような、
低めの力強い声で歌う人が好きなので、
ジーンのようなか細いソプラノ・ヴォイスは苦手。
このアルバムでもその苦手意識は変わりませんでしたが、
昔聴いたレコードより、ガラス細工のような繊細さが印象的で、
その無垢な味わいに、ちょっと感じ入ってしまいました。

ギターとマウンテン・ダルシマーの素朴な伴奏で歌うジーンの歌声は、
陽を浴びてきらきらと輝くせせらぎや小鳥のさえずりを思わせます。
昔はその<こぎれいな>民謡のたたずまいに抵抗を覚えたのですが、
ゴツゴツとした力強さばかりが民謡の良さじゃないことを、
このデビュー作から教わったような気がします。

Jean Ritchie "SINGING THE TRADITIONAL SONGS OF HER KENTUCKY MOUNTAIN FAMILY" Elektra/Tartare T8014 (1952)
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