エチオ・ジャズのニュー・カマー インペリアル・タイガー・オーケストラ [西・中央ヨーロッパ]
ばりぶり、ばりぶり、ぶりぶりぶりぶり、びひゃーーーーーー。
妖しいオリエンタル調メロディーにのせて、咆哮するバリトン・サックス。
ドイツのウォイマ・コレクティヴに続く、非エチオピア人によるエチオ・ジャズ・バンドが登場しましたよ。
今度はスイス、ジュネーブで活動するというバンドのデビュー作です。
エチオ・ジャズ、ほんとにきてますねぇ。
メンバーはバリトン・サックス、トランペット、キーボード、ベース、ドラムス、パーカッションの6人組。
ウォイマ・コレクティヴは自作曲が中心でしたけど、
こちらはすべてメイド・イン・エチオピアのレパートリーで、
ムルケン・メレセ、マハムード・アハメッド、アボネシュ・アーデノウ、ゲタチュウ・メクリヤ、
ムラトゥ・アスタトゥケといった、名だたるエチオピア人アーティストの曲を取り上げています。
さらに、09年の5月にアディス・アベバで演奏した時のライヴ2曲も収録。
エチオピーク・シリーズのプロデューサー、フランシス・ファルセトに招かれたのだそうです。
このバンドがユニークなのは、タイの弦楽器ピンを使っているところ。
アルバム冒頭、いきなりピンのソロから始まり、
モーラムでも始まるのかと思うようなイントロには面食らいました。
エチオ・ジャズにピンとは、なんとまた面妖な。
ところが、これがエチオピアのメロディーとよくハマるのだから、いとをかし。
ちなみに、ピンを弾いているのはベーシスト。タイのイサーンにでも行ってたんでしょうかね。
なかなか一筋縄ではいかないメンバーが揃っているようです。
すでにこのバンドはフランス、オランダなどヨーロッパ各地でライヴを行うほか、
昨年の秋にはケープタウン、ジョハネスバーグ、ダーバン、ハラレ、マプトなど
南部アフリカをツアーしたとのこと。
渋さ知らズや梅津さんが好きな人にも、ぜひ聞かせたい実力バンドです。
Imperial Tiger Orchestra "ADDIS ABEBA" Mental Groove/Absinthe Music AMMGITO1 (2010)
2011-01-07 06:39
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