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漆黒のサンバ シャンゴー・ダ・マンゲイラ [ブラジル]

Xango Da Mangueira  O REI DO PARTIDO ALTO.JPG   Xango Da Mangueira  VELHO BATUQUEIRO.JPG
Xango Da Mangueira  VOL.3.JPG   Xango Da Mangueira  CHAO DA MANGUEIRA.JPG

うわあ、今度はシャンゴー・ダ・マンゲイラが70年代に残した4作を、一挙にCD化ですか。
マルクス・ペレイラ盤の『エスコーラ・ジ・サンバの歴史』シリーズといい、
サンバに夢中になり始めた頃に出会ったルーツ系サンバの名作が、ぞくぞくCD化されますねえ。

シャンゴー・ダ・マンゲイラことオリヴェリオ・フェレイラは、23年生まれ。
最初はポルテーラに所属していましたが、39年にマンゲイラへ移り、
カルトーラがマンゲイラを去ったのちの51年からマンゲイラの総監督となって、
内部分裂の危機にあったマンゲイラを再建した伝説のサンビスタです。
シャンゴーはパレードでのサンバ・エンレードの基本型を作るという功績を残し、
サンバ・ジ・ローダでの即興のパルチード・アルトを得意としました。

正直言うと、シャンゴーの72年のコパカバーナ盤を最初に聴いた時は、ピンと来なかったんです。
曲が起伏に乏しく、単調な繰り返しが多くて、つまらなく感じたんですね。
その後、カンデイアやアニセート・ド・インペリオなどのパルチード・アルトを聴くようになってから、
シャンゴーのあけっぴろげでのんしゃらんとした開放感のある歌い口に、
黒人サンバのエッセンスが詰まっていることが、ようやく感じ取れるようになったんでした。

とはいっても、曲が地味なことには変わりなく、
その後出た75年作の“VELHO BATUQUEIRO” も、あまり夢中になった記憶はありません。
どうもシャンゴーの書く曲って、フックに欠けるんですよねえ。
正直そんなによく聴いたというほどの人ではないんですけど、
シャンゴーのような黒っぽいモロのサンバを21世紀の今に求めるのは、もう不可能なこと。

というわけで、4作まとめて聴いてみたわけですが、
レコードを持っていなかった78年作の“VOL.3” が一番の収穫でした。
このアルバムではシャンゴーの自作は半分ほどで、マンゲイラの仲間パデイリーニョのサンバなど、
他のサンビスタの曲を多く取り上げています。
サンバ以外にバイオーンやジョンゴも歌い、
シャンゴーもあけっぴろげな歌いぶりばかりでなく、メロウな歌い口を聞かせたりと、
アルバム・プロデュースほかいろいろ工夫の跡がみられます。
クレジットを見ると、このアルバムだけエジ・リンコルンが音楽監督を務めてるんですね。
なるほど、これはエジの手腕だったというわけですか。

ところで今回のリイシュー、ジスコベルタスらしからぬ間違いが一つあります。
シャンゴーのラスト作となった4作目の“CHÃO DA MANGUEIRA” が
1982年のアルバムなのに、1976年制作と誤ってクレジットされているんですね。
そのせいでCD番号も3番目の数字を付けていて、
実際の3作目がタイトルも“VOL.3” とわかりやすいのに、なんで間違えたんでしょう?

Xangô Da Mangueira "O REI DO PARTIDO ALTO" Copacabana COPA0051 (1972)
Xangô Da Mangueira "VELHO BATUQUEIRO" Discobertas DB116 (1975)
Xangô Da Mangueira "VOL.3" Discobertas DB118 (1978)
Xangô Da Mangueira "CHÃO DA MANGUEIRA" Discobertas DB117 (1982)
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