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見逃していたフィーリン フランシスコ・セペダス、ルーシー・ファベリー

Francisco Cespedes & Gonzalo Rubalcaba.JPG   Lucy Fabery Divinamente.JPG

こんなフィーリンのアルバムがあったなんて!という、見逃しの2枚です。
1枚は、メキシコで活動するキューバ出身の実力派歌手
フランシスコ・セペダスのボラ・デ・ニエベ曲集。
2006年にリリースされていたアルバムで、
いまどきボラ・デ・ニエベを取り上げるじたい貴重で、見逃していたのは反省しきり。

聴いてみれば、シンプルなジャズ・コンボをバックに、ボラの名曲をセンスよく料理していて、
う~ん、美味ですねえ。
ゴンサーロ・ルバルカーバの抑制の利いたピアノも、すごくいいじゃないですか。
まさしく趣味のいい夜の友盤、レトロな味わいに酔えますよ。

ボラは、あのアクの強い歌唱が個性となっているので、
カヴァーは難しいんじゃないかと思ったら、
あえて歌唱スタイルは真似をせず、ボラのユーモアやセンティミエントを
フランシスコ自身の解釈で歌っていることに、感心させられました。
歌詞を丁寧に歌い込みつつも軽やかさを失わず、
古謡の温かみを保ちながら、洗練されたタッチでボラの音楽世界を表現しているんですね。

ボラの十八番である“Drum Negrita” をツー・ヴァージョン収録していて、
アルバム・ラストのヴァージョンでは、ボラの声だけ取り出し、デュエットをしています。
こんな試みは、よほどの実力と自信がなければできない芸当で、
ボラへの敬愛の念を感じさせるとともに、
フランシスコのインタープリテイターとしての才能の高さにうならされました。

そしてもう1枚は、先日遅まきながらその存在を初めて知った
プエルト・リコのフィーリン女性歌手ルーシー・ファベリーの、
これまた2006年にリリースされていたアルバム。
50年代録音のアルマ・ラティーナ盤にカンゲキして、この人のことを調べていくうちに、
2006年にカムバック作を制作していることを知り、あわてて手に入れました。

ラテン・ジャズ・トランペッターの第一人者ウンベルト・ラミレスのプロデュースで、
1曲目のボビー・カポーの“Juguete” から、アルバム・ラストの
ホセー・アントニオ・メンデスの“Como Los Demas” まで、肩の力の抜けた歌を聞かせます。
さすがにお歳のせいで、声は重くなってるとはいえ、
巧みな歌い回しでジャジーに歌い綴っていくところは、さすがヴェテランですね。

奇しくも、どちらも現代ラテン・ジャズの実力者とのコラボ作で、
フィーリンというキー・ワードを意識して聴かなければ、
ただのジャズ・ヴォーカル・アルバムと見過ごしかねないアルバムです。
まさしく現代のフィーリンは、こんなジャズ・ヴォーカルやボレーロ・アルバムの中に
ひっそりと息づいているのかもしれません。
フィーリンは、リズムでもなければ、音楽の形式をさすものでもなく、
まさしくその名の通り、演奏の「フィーリング」であるという掴みどころのなさゆえ、
フィーリンと気付かずに素通りしたアルバムは、まだまだあるのかも。

Francisco Cespedes & Gonzalo Rubacaba "CON EL PERMISO DE BOLA" Warner Music Latina 69990-1 (2006)
Lucy Fabery "HUMBERTO RAMIREZ PRESENTA DIVINAMENTE LUCY FABERY" Derechos Reservados FNCP-CD003 (2006)
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