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タンブーを打ち鳴らせ バシンゴ [カリブ海]

Bassingo & Willy Leger.JPG

今年の夏はマルチニークやグアドループ方面に、あまりパッとした作品がないなあと思っていたら、
夏の終わりにようやく1枚、小気味のいいアルバムと出会えましたよ。

竹の打楽器チ・ブワを叩くリード・ヴォーカリストとパーカッショニストの二人組に、
パーカッショニスト兼作曲家兼プロデューサーが組んだマルチニーク出身のユニットのアルバム。
バックには、昨年の注目作となったマディンカの中心メンバーで、
マラヴォワにも在籍するヴァイオリニストのジャン=クリストフ・ジェルマンをはじめ、
ヴォーカリスト、女性コーラス、ラッパー、フルート奏者など、多数のゲストが参加しています。

タイトルにあるとおり、タンブー(太鼓)を中心としたセッションといった内容で、
ビギン、カドリーユ、ズークなど多彩なリズムを小気味良く響かせながら、
ヌケのいいサウンドが心地よいポップ・アルバムに仕上げています。
ラップをフィーチャーしたり、野性的なおばちゃんのヴォーカルをゲストに招き入れたりと、
曲ごとにさまざまなアイディアが工夫されていて、飽きさせません。

リズム・アレンジもカッコよくって、タンブーの合奏ではユニゾン・フレーズをばっちりキメています。
ベレやカといったマルチニークやグアドループの太鼓のほか、ジェンベも使っていて、
ブレイクを多用したリズム・パターンなどはもろに西アフリカ直系というか、
マリやギネアのマリンケ系のドラミングと共通するものを感じさせます。

またそうした伝統リズムにラガなどをミックスする手腕も自然で、
無理なくモダンなポップ・センスを生かしているところがいいですね。
けっして話題作や傑作と騒ぐようなアルバムではありませんけれど、
マルチニーク・ファンには嬉しい一作です。

Bassingo & Willy Leger "GROOV’ TAMBOU" M La Root’s Music no number (2012)
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