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タジャンとシパンの息子たち グラン・レセルバ・デル・クリオジスモ [南アメリカ]

Gran Reserva del Criolooismo.JPG

ペルー、リマ下町のバリオでクリオージョ音楽を歌い続けてきた古老たちを一堂に集めたアルバム
“LA GRAN REUNION: CRISTAL HERIDO” にカンゲキしたファン、ちゅーもーく!
またしてもズイキの涙もんのアルバムの登場ですっ!

“LA GRAN REUNION” シリーズを企画したギタリストのウィリー・テリーが、
今度は北部海岸地方のクリオージョ音楽をテーマとするプロジェクトを立ち上げ、
クリオージョ音楽はリマばかりでなく、北部海岸地方のラ・リベルタ、ランバイエケ、ピウラも
歌手の宝庫であることを証明してみせた2枚組CDブック。
企画・音楽監督のウィリー・テリーに、相棒のカホン奏者パペオ・アバンが脇を固めるほか、
クリオージョ音楽からアフロペルー音楽まで幅広く伝統音楽を追求する女性歌手フリエ・フレウンドと、
名ギタリスト、オスカル・アビレスの娘で歌手のルーシー・アビレスがプロデュースを務めています。

ペルー北部海岸地方といえば、白いハンカチを右手に持ち、
男女の恋のかけひきを表現する華やかな踊りのマリネーラ・ノルテーニャが有名なところ。
トンデーロも北部生まれなら、アンデス音楽の影響を受けたメロディを持つバルスなど、
リマのクリオージョ音楽との違いがくっきりと示されています。

「タジャンの息子たち」と題されたディスク1では、
ピウラを代表するラファエル・オテロ・ロペスの作品を中心に、
ロス・トロバドーレス・デル・ノルテのリード・シンガーを務めたヘラルド・コロナードはじめ、
ロス・タカレーニョスなどのヴェテランたちが勢ぞろい。
聴きどころはやはり、マリネーラ・ノルテーニャでしょうか。アルト・サックスとスネア・ドラムを加え、
ブラスバンドふうの伴奏にしているところがノルテらしくって、うきうきしちゃいますね。

「シパンの息子たち」と題されたディスク2では、
チクラヨを代表するエミリオ・サンティステバンの作品を中心に、
ロス・モチーカス、ロス・カバジェーロス・デル・ペルーほか男女ヴェテラン歌手たちが集い、
シブいノドを聞かせてくれます。ギターとバンジョーの二重奏が聞けるのも珍しいですね。

ヴェテランの古老たちが次々と披露するコクの深い歌は、
まさしく“LA GRAN REUNION” と同様の味わいで、
こんな贅沢なラテン音楽が現在聴けるのは、間違いなくペルーだけでしょう。
クリオージョ音楽の底知れぬ人材の豊かさに圧倒されるばかりです。

ちなみに今回のリリースはサヤリーではなく、ペルーのメジャー・レーベルからの発売。
各歌手たちのイラストも載せた44ページのブックレット付きというサヤリーに劣らぬ仕上がりに、
ペルーのレコード業界の良心を見る思いがします。

Gran Reserva Del Criollismo "EL NORTE TIENE LO SUYO" Play Music & Video no number (2012)
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