SSブログ

爆裂サルサ復活 プエルト・リコ・オール・スターズ [カリブ海]

Puerto Rico All Stars  Echando Candela.jpg   Puerto Rico All Stars  Los Profesionales.jpg

なっつかしぃー♡ プエルト・リコ・オール・スターズ!
自動車教習所に通っていた大学2年の春休み、
仮免に合格して意気揚々の帰り道、今はなき吉祥寺の輸入レコード店ジョージアで買ったのが、
プエルト・リコ・オール・スターズの第2作“LOS PROFESIONALES”(78)だったんです。

もう35年も前の話ですけど、いまだによく覚えているのは仮免合格の嬉しさばかりでなく、
それまでのニュー・ヨーク産サルサとは肌合いの異なるサウンドで、
スリリングなアレンジと性急なスピード感にドギモを抜かれたから。
あと、ラテンやサルサのレコードはディスコマニアかメモリーレコードで買っていたのに、
ジョージアで買ったという「いつもと違う」感も、強く心に残った理由かな。
まだ十代だったラロ・ロドリゲスの歌いっぷりにノックアウトされた、忘れられないアルバムです。

70年代当時のサルサといえば、ファニア・レコードが牽引したニュー・ヨークが中心の時代。
その後80年代に入り、THレコードを筆頭とするプエルト・リコにシーンは移っていくわけですけど、
プエルト・リコ・オール・スターズの登場は、今思えばそれを予見する出来事でした。
79年に3作目“TRIBUTE TO THE MESSIAH” を出したあと活動を停止してしまいますが、
今回のカムバック作というか、リユニオン作の登場には驚かされましたねえ。

何が驚いたって、あの当時の熱気がまんま蘇っていること。
初めてプエルト・リコ・オール・スターズを聴いてカンゲキした爆裂サルサが、
当時と変わらず飛び出してくるんなんて、ちょっと信じらんなかったですね。
同窓会などとは呼ばせない、これぞプエルト・リカンの心意気といったハードエッジなサウンドに、
身体がシビれまくりましたよ。

音楽監督は、80年代プエルト・リコ・サルサを代表する名アレンジャーのルイス・ガルシア。
ピアノにパポ・ルッカ、ティンバレスにエドウィン・クレメンテといったヴェテランを配し、
聴き覚えのあるスラップ・ベースが活躍していると思いきや、やっぱりホセ・ガスメイ。
THレコードのハウス・バンドだったルイス・ガルシア率いるコンフント・カナヨーンのベーシストで、
ぼくはこの人のベース・プレイが大好きだったんです。

歌手陣にはアンディ・モンタニェス、ルイヒ・テクシドール、
パキート・グスマン、ウィッチー・カマチョなんて嬉しい名前がずらり勢揃い。
ソノーラ・ポンセーニャで名をはせたジョランダ・リベーラが強烈な個性を発揮していて、
年をとってもユニークな声が不変なのには感心しきり。
20人を超す歌手たちが、次々と歌いつないでいくプエルト・リコ賛歌に胸が熱くなります。

あれぇ?と思ったのは、アンディ・モンタニェスが歌うティテ・クレ・アロンソの“Ciriaco Valdés”。
この曲、78年作の“LOS PROFESIONALES” でアンディが歌っていたもので、
ホルヘ・ミジェーの激情アレンジもそのままなら、途中のトランペット・ソロまでまったく同じ。
続く79年作“TRIBUTE TO THE MESSIAH” でサミー・ゴンザレスが歌った
エディ・パルミエリの“Bomba Del Corazón” もオリジナル演奏そのまんまで、
どうも変だと聴き比べてみたら、どちらも旧録をそのまま収めたもの。
オリジナルを聴いたことのない人だったら、まず気付かないでしょうね。
それほど新旧録音の熱血ぶりに差がないところが、本作のスゴさでしょう。

また今回の選曲で面白いのは、“Usted Abuso” が二つのヴァージョンで収録されていること。
この曲は、77年にウィリー・コロンがセリア・クルースに歌わせたのが最初だったと思いますけど、
原曲はブラジル音楽ファンならよくご存じの、ブラジルの美女歌手
マリア・クレウザのヒット曲(詞・曲はアントニオ・カルロス&ジョカフィ)“Voce Abusou”。
ブラジルでこの曲をカヴァーしている人というのは、ちょっと思い浮かばないんですけど、
どういうわけだかサルサではよくカヴァーされますね。
ブラジルの曲をサルサでやること自体珍しいので、
ぼくの大好きなマリア・クレウザの曲が選ばれるのは、ファンとして光栄な気分です。

Puerto Rico All Stars "ECHANDO CANDELA" Viva Combo Music VCCD035 (2013)
Puerto Rico All Stars "LOS PROFESIONALES" Combo RCSCD1905 (1978)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。