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ベルベルの門付け歌 ラーイス・ハジ・モハメド・ダンシリ [中東・マグレブ]

Raïs Haj Mohamed Damciri   Tichkaphone.jpg

大昔に廃盤となったソノディスクの未開封CDを今頃見つけるというのも、
なかなか珍しいことだと思うんですけど、
どこぞから掘り出したデッドストックの中に、初めて目にしたモロッコのCDを発見しました。

表紙にはルバーブを持ったルワイェとおぼしき門付け芸人が写っていて、
あれ?これって、2年前にサラーム海上さんがモロッコのマラケシュから持ち帰ってきた
大量のシングル盤に、こんな感じの写真があったような……。
そのシングル盤からコンパイルされた『KOUTOUBIAPHONE ~BERBERE 7inch SPECIAL』を
早速引っ張り出すと、いました、いました。5曲目におんなじ人が。

Koutoubiaphone.jpg

50年代後半から60年代にかけて、カサブランカのレーベル、
クドゥビアフォンに録音されたモロッコのベルベル音楽をコンパイルした
『KOUTOUBIAPHONE ~BERBERE 7inch SPECIAL』は、
知られざるベルベル音楽がぎゅー詰めになっていて、話題を呼びましたね。
ルワイェと呼ばれる門付け芸人の歌を中心に、猟銃乱射音入りの祝祭音楽、
女声合唱と手拍子の婚礼歌、大道のコミカルな語り芸など、まさにベルベル音楽のパノラマでした。

ルワイェが歌うラーイスと呼ばれる歌も、『KOUTOUBIAPHONE』が初体験だったので、
ずっと以前にソノディスクがCD化していたとは、まったく知りませんでしたねえ。
CDにクレジットされている原盤のTickhaphone は、
クドゥビアフォンの音源を70年代にカセット化していたカサブランカのレーベル。
音質や曲の長さから察するに、カセット時代の70年代録音のようで、
甲高い女声コーラスとコール・アンド・レスポンスする演唱は、
『KOUTOUBIAPHONE』収録のものより、いっそう華やかに聞こえます。

モロッコ南西部のスース地方では、
ラーイスに民俗歌舞のアホワーシュが取り入れられて商業化したといわれるので、
まさにこうした録音がその典型なのかもしれません。

CD番号が7番ということは、ほかにもルワイェのCDがリリースされていたんでしょうか。
今となっては入手不可能でしょうけど、気になってしまいます。

Raïs Haj Mohamed Damciri "RAÏS HAJ MOHAMED DAMCIRI" Tichkaphone/Sonodisc TCKCD07
V.A. 『KOUTOUBIAPHONE ~BERBERE 7inch SPECIAL』 El Sur CD-R001
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