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ポップになったルンバ・ロックの大御所 パパ・ウェンバ [中部アフリカ]

Papa Wemba  Maitre D'ecole.jpg

あちゃあ、間に合わなかったぁ。
『ポップ・アフリカ800』の校了までに聴いていれば、
ぜったい入れたのになあ、パパ・ウェンバの新作。うーん、残念。
ウェンバの10年の前作“NOTRE PÈRE RUMBA” を『ポップ・アフリカ800』に入れるかどうか、
さんざん逡巡した末に見送ってしまったんですけど、これだったら迷わずに入れたのに。
(ということで、『ポップ・アフリカ800』8月25日発売です。ぜひお買い求めください。ぺこり)

それにしても2枚組という大作を出すとは、驚きました。
ムショからシャバに出たウェンバは一皮むけたというか、
10年かけてステージを一つ上りましたね。
“NOTRE PÈRE RUMBA” のポップ路線を素直に受け入れられなかったのは、
いつまでも昔のルンバ・ロックのウェンバのイメージを捨てられない、
こちらのアタマの固さのせいだったと反省させられました。

女性ヴォーカルをフィーチャーしてメロウに迫るウェンバなんて、
昔の不良少年のイメージからは考えられないほど、おっとなーなムード。
アクースティック・ギターを核に、キリリと引き締まったハイ・トーンのヴォーカルを放つところは、
単に円熟したというのとはひと味違う魅力を備えたように思います。
ポップなプロダクションも、パワフルなヴォーカルを輝かせるのに
もっともふさわしいお膳立てとなっていますね。
なんか、こんな人がほかにもいたような。そうだ、R&B界の大御所のロナルド・アイズレーですね!
お互いムショ帰りで、ハクが付いたってことでしょうか。

今回の新作が2枚組になったのも、絶好調のあまり、さまざまな曲にトライして、
気付いたら25曲も録音してしまったというふうに聞こえます。
事前にきっちりと2枚組をプランして作り上げたという重厚さがなく、
自然発生的にできてしまったというノリの良さが本作には感じられます。

旧友ニョカ・ロンゴとの共演曲では、ルンバ・ロック魂を炸裂させる
力のこもったすばらしい歌声を聞かせてくれるし、
トレスをフィーチャーしたラテン・ボレーロでは、
前作に続くポップ新境地ともいえるメロウネスを溢れさせています。
キンシャサの暴れん坊からルンバ・ロックの大御所へと歩みを進めたウェンバの、
ヴェテランならではの底力を見せつけた傑作です。

Papa Wemba "MAITRE D’ECOLE" Cornely Malongi no number (2014)
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