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エチオ・ポップ男性シンガーの新作から その1 タムラット・デスタ [東アフリカ]

Tamrat Desta.jpg

ここしばらくエチオピアのソロ・シンガーというと、
女性ばっかり聴いていたような気がしますけれど、
久しぶりに男性シンガーでグッとくる人に、いろいろと出会えましたよ。
まずは、エチオピア南部アワサ近郊出身というタムラット・デスタ。
78年生まれというので、現在30代半ば。まさに脂がのった年頃ですね。

晴れやかな歌いぶり、のびやかにコブシを回す陽性の歌い口は実力十分で、
洗練されたコンテンポラリーなプロダクションによく映えます。
アクのないスムースなヴォーカルは、エチオピア歌謡にエグ味を求める人には
不向きでしょうけど、いつまでも70年代じゃないんですからねえ。
こういうシンガーこそが、広くアピールできる人でしょう。
いや~、聴くほどにホレボレする歌いっぷりですよ。

プロダクションの方は、いつもの打ち込み使いですけれど、アレンジがよく出来ているし、
曲調も多彩で、エチオピア各民族のリズムがふんだんに取り入れられ、申し分ありません。
レゲエにアレンジした曲の出来がすこぶる良くって、この人の持ち味とよく合っています。
ハウス・ミックスしたラストの曲なんか、普段ならケッ!とか思うところですけれど、
おー、いいじゃない、なんてヨユーかまして聴けるのも、歌の良さのおかげです。

過去作をチェックしてみたら、04年のデビュー作“ANLEYAYM” を持っていたことに気付きました。
もう手放してしまったので、内容は記憶にないんですけれど、
たぶんチープな打ち込みが気に入らなかったんじゃないかな。
というわけで、十年を経てレヴェルがグンと上がったプロダクションで楽しめる
エチオピアン・ポップに仕上がった新作、オススメします。

Tamrat Desta "KEZA SEFER" Nahom no number (2014)
コメント(2) 

コメント 2

イワタニ

いつも拝見させて頂いてます。私の音楽鑑賞には「after you」が欠かせないものになっています。これからも密かに覗かせてもらいます。
数年前からエチオピアの音楽には興味をもって聴いてきました。私の大好きな大衆臭さが一番の魅力でした。しかし最近はエチオのエグ味がうんざりしてくる感じになり、なかなか聴くことがなくなりました。
昔の都はるみさんが、うなりをおさえて良くなったように、エチオのシンガーもそろそろエグ味を押さえてくれないかなぁ。なんて思っていましたが、これは期待できそうですね。 
今回の紹介文に、「いつまでも70年代じぁないんですからねぇ」
と書いてあるのを読み、おもわず拍手しました。
音楽は微妙ですね。長所だったはずが、いつの間にか短所になってしまってることがあります。
またコメント書きます。よろしくお願いします。
それではさっそくエルスールに入荷希望メールをいれておこっと。
by イワタニ (2015-02-22 17:32) 

bunboni

ありがとうございます。
「音楽は微妙ですね」のコメントにすべて言い尽くされていますね。
その微妙なさじ加減に一喜一憂するのもまた、音楽を聴く楽しみであります。
by bunboni (2015-02-22 18:32) 

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