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知られざる美人モーラム歌手 バーンイェン・シーウォンサー [東南アジア]

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バーンイェン・シーウォンサーというタイの女性モーラム歌手、ご存知ですか。
モーラムの女性歌手でバーンイェンといえば、バーンイェン・ラーケンが有名ですけど、
バーンイェン・シーウォンサーという名は全然知りませんでした。

はじめて聴いたシーウォンサーさんは、モーラム歌手には珍しくなかなかの美人さん。
その熟達したこぶし回しは相当な実力者と思われ、
これほどの人が知られざる状態だったのは、不思議なほど。
録音は70年代と思われ、まだルークトゥン化する前のポップ・モーラムで、
語りもののモーラムをポップ化したサウンドが聴きものとなっています。

ケーンが大活躍するほか、オルガンやサックスもフィーチャーされ、
グルーヴィなベースが粘っこいビートを強調するなど、ゾクゾクもののサウンドを聞かせます。
ルークトゥンと見分けのつかなくなった90年代以降のポップ・モーラムでは、
一本調子な打ち込みのビートとシンセが支配するプロダクションとなってしまいますが、
この当時の伴奏は、タイ東北部の民謡が外来文化との出会いによって化学反応した趣があって、
なかなか味わい深いものです。

クルーン・タイから出た7枚のうち、第1~4集はバンド・サウンドのポップ・モーラムを楽しめますが、
第5~7集はケーンの伴奏のみで歌う伝統モーラムの世界。
これまたバーンイェン・シーウォンサーの歌のうまさをじっくりと味わえ、
こぶしの妙味に聴き飽きることがありません。

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ほかにも、ぼくらの知らないモーラム歌手が、まだまだたくさんいそう。
先日エル・スール・レコードの原田さんに教えてもらったスパーブ・ダーオドゥワンデーンという人は、
バーンイェン・シーウォンサーとは対極の豪快な歌いっぷりで、
クリフトン・シュニエも真っ青なド迫力なケーンともども、ノックアウトされたばかりです。

60~70年代のタイ歌謡を復刻するクルーン・タイやメー・マイ・プレーン・タイのリリースには、
今後も目が離せそうにありません。

Barnyen Sriwongsar "MAE BAEB PLENG MORLUM VOL.1" Krung Thai KTD1185
Barnyen Sriwongsar "MAE BAEB PLENG MORLUM VOL.2" Krung Thai KTD1186
Barnyen Sriwongsar "MAE BAEB PLENG MORLUM VOL.3" Krung Thai KTD1187
Barnyen Sriwongsar "MAE BAEB PLENG MORLUM VOL.4" Krung Thai KTD1188
Barnyen Sriwongsar "MAE BAEB PLENG MORLUM VOL.5" Krung Thai KTD1189
Barnyen Sriwongsar "MAE BAEB PLENG MORLUM VOL.6" Krung Thai KTD1190
Barnyen Sriwongsar "MAE BAEB PLENG MORLUM VOL.7" Krung Thai KTD1191
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