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マルシャを歌うファドの女王 アマリア・ロドリゲス [南ヨーロッパ]

Amalia Rodrigues Marchas.JPG

うわー、ついにCD化されましたか。これは嬉しいですねぇ。
アマリア・ロドリゲスの珍盤中の珍盤、
アマリアがファドではなく、なんとカーニバル・ソングのマルシャを歌ったアルバムです。

アマリア・ロドリゲスのヴァレンティン・デ・カルヴァーリョ音源は、
ポルトガルEMIが最初にCD化をスタートさせ、ほぼすべてのカタログをCD化したあと、
ソン・リブレに権利が移って再発されましたが、
両社ともなぜか69年の“MARCHAS DE LISBOA” だけはCD化しなかったんですよね。

iPlayに権利が移ってからは、過去のカタログをただ踏襲して再発するのではなく、
歴史的名作“COM QUE VOZ” に19曲もの未発表曲を追加した2枚組編集盤をリリースしたり、
“AMÁLIA NO OLYMPIA” をフランス原盤のジャケットで出すなど、
アマリア・ファンには感涙ものの力作リイシューが続いていましたが、
マルシャを歌ったこのアルバムもちゃんとCD化してくれたとは、拍手ものです。

しかもLPは12曲収録だったのが、CDは2倍以上の26曲収録という大判ぶるまい。
今回ライナーを読んではじめてわかったんですけど、
このアルバムはLP制作されたものではなく、EP音源を編集したアルバムだったのですね。
CD化にあたり、録音単位に曲をまとめた編集をしてくれたのも嬉しい配慮です。

60年代のアマリアは、ファドばかりでなく、ポルトガル各地の民謡を歌ったりと、
意欲的にレパートリーを広げていて、歌手としてもっとも充実していた時代でした。
ブラスバンド編成のマルシャのサウンドにのって歌うアマリアのヴォーカルは、
ファドでは味わえない躍動感に満ち溢れています。
といっても、陽気なアップテンポのマルシャであろうと、
コブシをぐりんぐりん回しているところは、あいかわらずなんですけどね。

ブラスバンドにのって歌うアマリア・ロドリゲスの、いきいきと快活な表情が妙味な一枚。
ファドのアマリア・ロドリゲスしか知らない人に、ぜひ聴かせたいアルバムです。

Amália Rodrigues "MARCHAS" iPlay IPV1678-2
コメント(2) 

コメント 2

sugi

これ買いました。ファドじゃないアマリア・ロドリゲスも貫禄ですね。
ところで解説にはマルシャはEPだけで発売され、一度もLPにならなかったと書かれていました。
この解説は間違いなのでしょうか?
by sugi (2011-10-16 08:00) 

bunboni

デジパックCD表紙裏の見開きジャケの左側に、オリジナルLP“MARCHAS DE LISBOA” のジャケ写がでかでかと載ってるんですけどね。このLPをご存知なかったんじゃないでしょうか。
by bunboni (2011-10-16 10:24) 

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