サンバ愛 アレー [ブラジル]
アレーの04年の前作“MPBSOULSAMBAGROOVE” は、
パウラ・リマ、クルービ・ド・バランソ、ロジェーと、
傑作が連発するサンバ・ソウル・ブームの真っ只中でリリースされ、
ドレッドヘアでキメたジャケットに、これは!とばかり期待をしたのですが、中身は残念な盤でした。
ホーン・セクションを従え、派手なスクラッチ・プレイも飛び出すサンバ・ソウル・サウンドは、
なかなかに聴きごたえがあったんですけど、
肝心の主役のヴォーカルが表情に乏しく、一本調子な歌がいけません。
アレーのくぐもった声が派手なサウンドに埋もれてしまい、
これといった印象を残さずに終わってしまいます。
ダニエラ・メルクリが歌ったアレーの出世曲
“Dona Da Banca” のセルフ・カヴァーも入っていたんですけどね。
あれから6年。
ファンクやヒップ・ホップ色の濃かった前作に比べると、
新作はぐっとサンバ寄りのシンプルなサウンド。
ギターにパンデイロ、タンボリンといった
サンバのオーソドックスな伴奏で歌っています。
曲によって、フルートやキーボードなどをアクセントに使うといった今回のプロダクションの方が、
アレーのヴォーカルにも合っているように思います。
一部ホーン・セクションを起用したサンバ・ソウル・ナンバーもありますけど、
前作のようにアレーのヴォーカルが埋没してしまっているようなことはありません。
アレーの歌いぶりは、あいかわらず一本調子ですが、
楽曲の良さに助けられて、ほろっとさせるスローあり、
ぐぐっと盛り上がるメロディーに男前な色気を醸し出す、
アップ・テンポのカーニバル・ソング“Samba Da Rainha” など、聴きどころ満載。
サンバ愛にあふれた新作、うん、今度は気に入りました。
Aleh "ALEH + SAMBA" Nossa Música NM001/010 (2010)
2011-10-24 00:00
コメント(0)
コメント 0