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バイーアへの憧憬 レジーナ・ベネデッティ [ブラジル]

Regina Benedetti  O CANTO DA SEREIA.JPG

浜辺に打ち寄せるの波の音をバックに、鳴り響くビリンバウ。
バイーアの海を思わすオープニングに、耳を吸い寄せられていたら、
するっとコンテンポラリーなサウンドにスイッチして、頬がゆるんじゃいました。

ぼくの大好物な、サンバをベースにした70年代MPBを思わすサウンド。
カンドンブレのリズム、イジェシャーなどバイーア色の濃いサンバばかりでなく、
ショッチあり、マラカトゥありと、地方色豊かなリズムふんだんに取り入れ、
アルバム全編を通じ、ブラジル音楽の豊かな伝統が押し付けがましくなく表現されています。

これが2作目という、女性シンガー・ソングライター、レジーナ・ベネデッティの新作。
全12曲すべてレジーナの自作曲なんですが、
これだけツブ揃いのポップな曲を書けるとは、注目すべき才能ですね。
どの曲もメロディがすごく素直で、クセがない。
いわゆるキャッチーというのとは違って、無理なく心の中に入ってきて、
つかみの強さはないけれど、リスナーの気持ちに優しく寄り添ってくるというタイプ。

派手さは無いけど、滋味な曲を書くこんなソングライター、
前にもいたよなあと思い出したのが、2年前によく聴いたペセ・カスティーリョ。
良質のMPBに仕上げたプロダクションも共通のテイストを感じさせます。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2010-05-28

ペセはミナスの人でしたけれど、レジーナはどこの人かと思ったら、サンパウロ。
都会的な知性派といったタイプとは違うので意外に思ったら、
サンパウロといっても、郊外のサン・ジョゼー・ド・リオ・プレトで活動している人だとか。
オーガニックで柔らかな歌声もさわやかなら、
バイーアへの憧憬もみずみずしい、ステキなアルバムです。

Regina Benedetti "O CANTO DA SEREIA" Guaruba Produções GPA003 (2012)
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