SSブログ

グラマラスなエチオピア歌謡 クク・サブシベ [東アフリカ]

Kuku Sebsebe  CHALKUBET.JPG

ミュージック・シーン的には、エチオピア音楽花盛りな今日この頃ですけど、
エチオピア移民コミュニティからリリースされる新作は、めっきり減ってしまいました。
ゼロ年代に入って怒涛のリリース・ラッシュを続けていたナホンも、
去年あたりからぱったりとリリースが止まっています。

いったいどうしたことかと心配していたんですが、
かわりに本場エチオピアから、現地制作のCDが届くようになりました。
エチオピア現地ものでは、去年聴いたイェッシ・デメラシュのデビュー作が鮮烈で、
現地制作のプロダクション・レヴェルの向上を実感しました。

ここ最近手に入れたアルバムはいずれも、
一時期のナホンのような金太郎飴式の打ち込みプロダクションを脱していて、
鍵盤楽器のチープな響きが目立たなくなってきたのは、いい傾向ですね。
90年代のエチオピアン・ポップスを確立したAITレーベルのサウンドを
ブラッシュ・アップしたプロダクションで、カラフルな楽曲やポップなアレンジを楽しめます。
クク・サブシベの通算8作目を数える7年ぶりの新作も、そんな1枚でした。

Kuku Sebsibe Geezze.JPG   Kuku Sebsebe  TIZITA.JPG

かつて「エチオピアの恋人」と称されたククといえば、
アメリカへ渡ってからAITから99年にリリースした“GEEZZË” が名作として知られ、
スウィートな歌声が多くのファンを生み出しましたね。
02年にエチオピアへ帰国し、05年にリリースした前作“TIZITA” では
ぐっと円熟味を増しヴェテランらしい風格を感じる、
エチオピアの情歌ティジータを聞かせてくれました。
バックのエキスプレス・バンドとの相性もよく、
サックスやアコーディオンをフィーチャーしていたのが良かったなあ。

新作はひさしぶりのポップ作で、エチオピア帰国直後にリリースした
03年の“TINISH GEZE SITEGN” 以来といえます。
03年作はククのチャーミングな歌声は相変わらずだったんですけど、
バックが典型的なナホンのサウンドで、チープな鍵盤がどうにもいただけませんでした。
楽曲やアレンジは良かったんですけどねえ。

でも今作のプロダクションは、バッチリ。
ククもヴェテランらしさを発揮し、どんな楽曲も余裕のある歌いぶりで、
グラマラスなエチオピア歌謡を聞かせる、バラエティ豊かなアルバムに仕上がっています。

Kuku Sebsebe "CHALKUBET" Adika Communication And Events no number (2012)
Kuku Sebsibe "GEEZZË" AIT AIT016 (1999)
Kuku Sebsebe "TIZITA" Electra Music Shop no number (2005)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。