ベネズエラ都市弦楽のニュー・フェイス シンコ・ヌメラオ [南アメリカ]
ひさしぶりに届いたベネズエラ都市弦楽の新作。
おととしのカラカス・シンクロニカ来日以降、とんと聴くチャンスがありませんでした。
南米のコンテンポラリー・フォークといえば、アルゼンチンやウルグアイには注目が集まるけど、
ベネズエラにはあいかわらず光が当たりませんね(しくしく)。
クラリネット、フルート、ギター、クアトロ、ベースの5人からなるシンコ・ヌメラオは、
05年に結成された新しいグループで、12年にリリースされた本作がデビュー作。
ラストのメドレー中の1曲をのぞき全曲がオリジナルで、
カラカスのメレンゲ、バルス、ダンサ・スリアーナなど、
ベネズエラの伝統形式に沿った演奏を聞かせます。
聴きものはやはり、対位法を駆使したメレンゲ(ドミニカのメレンゲとは関係ありません。念のため)。
演奏に即興の部分があるのかどうか不明ですが、仮にすべて譜面に書かれているとしても、
メンバー全員のびのびとプレイしていて、アレンジのキュークツさを感じさせません。
バルスではメランコリックなメロディをしみじみと聞かせ、曲作りの上手さが光ります。
クアトロのリズム・カッティングがおだやかなせいか、
全体にクラシックぽい雰囲気がしますが、ラストのメドレーだけ、
チェオ・ウルタード・スタイルのパーカッシヴなリズム・カッテイングを披露しています。
ビートを利かせた奏法はあえて控えめにしているようで、ほかにも引き出しがまだありそう。
才能あふれる若き5人組の今後が楽しみです。
ベネズエラ大使館殿。ベネズエラ文化週間への招聘を熱烈希望いたします。
5 Numerao "VOLUMEN 1" no label FD07420111051 (2012)
2013-10-21 00:00
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