ケルトを脱して原点回帰 マリンキー [ブリテン諸島]
えぇ? マリンキーって、こういうグループだったっけ?
新作が、スコットランド伝統音楽の直球勝負な内容になっていて、びっくり。
マリンキーは、00年のデビュー作と02年のセカンドを聴いて、
ケルト・フォークぽいサウンドが、ちょっとぼくの好みじゃないなあと思ってたんです。
で、その後のマリンキーをずっと聴いていなかったんですが、
新作が全曲トラッド(正確にはラスト1曲は古謡)と聞き、再挑戦してみた次第。
いやあ、デビュー作の頃とは見違えるほどキリッとして、
なんだか別グループのようですねえ。
じっさい当時のメンバーは、スティーヴ・バーンとマーク・ダンロップの二人だけだしねえ。
看板の女性歌手も、カリーン・ポルワートからフィオナ・ハンターに交替して、
うん、こりゃもうまぎれもなく別グループですよ。
カリーン・ポルワートがコンテンポラリーなサウンドにも対応した
柔軟なシンギングをするのに対し、フィオナ・ハンターの方は、
昔ながらの装飾のない、物語の語り部たらんとする、
武骨ともいえるシンギングを聞かせて、トラッドのレパートリーとの相性はバツグン。
デビュー当初からのメンバーである、スティーヴ・ハーンの抑揚の付けないシンギングも、
シンプルな素朴さが持ち味なので、カリーンよりフィオナとの方が引き立ちます。
サウンド・アンサンブルも、デビュー当初のギター・サウンドに不満を持っていたので、
新メンバーによるテナー・ギターの導入は大賛成。ブズーキとの相性もいいし、
音の粒立ちがぐっとよくなりましたね。
スコットランドの伝統的な物語歌に立ち返った原点回帰の作、全面支持します。
Malinky "FAR BETTER DAYS" Malinky Music MM001 (2015)
2015-06-27 00:00
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